札幌市議会 > 2011-06-15 >
平成23年第 2回定例会−06月15日-02号

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  1. 札幌市議会 2011-06-15
    平成23年第 2回定例会−06月15日-02号


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    平成23年第 2回定例会−06月15日-02号平成23年第 2回定例会                平成23年    第2回定例会           札 幌 市 議 会 会 議 録 ( 第 2 号 )            平成23年(2011年)6月15日(水曜日)           ―――――――――――――――――――――――――― 〇議事日程(第2号)  開議日時 6月15日 午後1時 第1 議案第11号(市長提出)   (1件に対する委員長報告等) 第2 議案第1号から第10号まで、第12号(市長提出)  ―――――――――――――――――――――――――― 〇本日の会議に付した事件 日程第1 議案第11号 北白石小学校北白石中学校改築工事請負契約締結の件 日程第2 議案第1号 平成23年度札幌市一般会計補正予算(第3号)  議案第2号 平成23年度札幌市国民健康保険会計補正予算(第1号)  議案第3号 平成23年度札幌市介護保険会計補正予算(第1号)
     議案第4号 平成23年度札幌市公債会計補正予算(第1号)  議案第5号 平成23年度札幌市軌道事業会計補正予算(第1号)  議案第6号 札幌市長期総合計画審議会条例の一部を改正する条例案  議案第7号 札幌市職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例案  議案第8号 札幌市建築基準法施行条例及び札幌市地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例案  議案第9号 札幌市立学校設置条例の一部を改正する条例案  議案第10号 札幌市立高等学校入学料等に関する条例の一部を改正する条例案  議案第12号 市道の認定、変更及び廃止の件  ――――――――――――――――――出席議員(68人)  議   長       三 上 洋 右  副 議 長       大 嶋   薫  議   員       伴   良 隆  議   員       阿部 ひであき  議   員       小 竹 知 子  議   員       北 村 光一郎  議   員       川田 ただひさ  議   員       植 松 ひろこ  議   員       中 村 たけし  議   員       林   清 治  議   員       村 上 ゆうこ  議   員       山 口 かずさ  議   員       宝 本 英 明  議   員       丸 山 秀 樹  議   員       石 川 佐和子  議   員       金子 やすゆき  議   員       飯 島 弘 之  議   員       こじま ゆ み  議   員       佐々木 みつこ  議   員       宗 形 雅 俊  議   員       よこやま 峰子  議   員       小須田 悟 士  議   員       小 川 直 人  議   員       しのだ 江里子  議   員       長谷川   衛  議   員       福 田 浩太郎  議   員       國 安 政 典  議   員       小 形 香 織  議   員       小 倉 菜穂子  議   員       伊 藤 牧 子  議   員       村 山 秀 哉  議   員       細 川 正 人  議   員       長 内 直 也  議   員       五十嵐 徳 美  議   員       峯 廻 紀 昌  議   員       桑 原   透  議   員       林家とんでん平  議   員       三 宅 由 美  議   員       恩 村 一 郎  議   員       阿知良 寛 美  議   員       芦 原   進  議   員       谷 沢 俊 一  議   員       伊 藤 理智子  議   員       坂 本 恭 子  議   員       村 松 正 海  議   員       山 田 一 仁  議   員       こんどう 和雄  議   員       高 橋 克 朋  議   員       勝 木 勇 人  議   員       鈴 木 健 雄  議   員       ふじわら 広昭  議   員       三 浦 英 三  議   員       高 橋   功  議   員       本 郷 俊 史  議   員       涌 井 国 夫  議   員       宮 川   潤  議   員       井 上 ひさ子  議   員       宮 村 素 子  議   員       武 市 憲 一  議   員       小 野 正 美  議   員       畑 瀬 幸 二  議   員       福 士   勝  議   員       猪 熊 輝 夫  議   員       西 村 茂 樹  議   員       川口谷   正  議   員       伊与部 年 男  議   員       堀 川 素 人  議   員       松 浦   忠  ―――――――――――――――――― 〇欠席議員(なし)  ―――――――――――――――――― 〇説明員  市   長       上 田 文 雄  副 市 長       小 澤 正 明  副 市 長       中 田 博 幸  副 市 長       生 島 典 明  交通事業管理者  交 通 局 長     下 村 邦 夫  水道事業管理者  水 道 局 長     北 野 靖 尋  病院事業管理者  病 院 局 長     吉 田 哲 憲  危機管理対策室長    長 利 秀 則  市長政策室長      秋 元 克 広  総 務 局 長     井 上 唯 文  市民まちづくり局長   橋 本 道 政  財 政 局 長     金 崎 健太郎  保健福祉局長      加 藤 敏 彦  子ども未来局長     大谷内 則 夫  環 境 局 長     若 林 秀 博
     経 済 局 長     渡 邊 光 春  観光文化局長      山 崎   亘  建 設 局 長     宮 浦 哲 也  都 市 局 長     阿 部 宏 司  会 計 室 長     飯 塚 和 惠  消 防 局 長     遠 藤 敏 晴  教育委員会委員     西 村 真 理  教育委員会教育長    北 原 敬 文  選挙管理委員会委員長  高 橋 忠 明  選挙管理委員会委員   上瀬戸 正 則  選挙管理委員会委員   大 西 利 夫  選挙管理委員会委員   富 田 新 一  人事委員会委員     品 川 吉 正  人事委員会事務局長   今   義 範  監 査 委 員     谷 本 雄 司  監査事務局長      大 居 正 人  ――――――――――――――――――事務局出席職員  事 務 局 長     早 瀬 龍 宏  事務局次長       本 間 章 弘  政策調査課長      熊 木 隆 春  議 事 課 長     出 井 浩 義  議 事 係 長     田 口 繁 治  委員会担当係長     木 村 卓 哉  委員会担当係長     冨 永   智  書   記       太 田 知 孝  書   記       早 坂 友 秀  ――――――――――――――――――  〔午後1時開議〕 ○議長(三上洋右) ただいまから、本日の会議を開きます。  出席議員数は、68人です。  ―――――――――――――――――― ○議長(三上洋右) 本日の会議録署名議員としてこんどう和雄議員、村上ゆうこ議員を指名します。  ―――――――――――――――――― ○議長(三上洋右) ここで、事務局長に諸般の報告をさせます。 ◎事務局長(早瀬龍宏) 報告いたします。  去る6月9日、議長は、議案第7号 札幌市職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例案につきまして、地方公務員法第5条第2項の規定により、人事委員会の意見を求めております。  これに対し、昨日、人事委員会委員長から意見書が提出されましたので、その写しを各議員控室に配付いたしました。  本日の議事日程、陳情受理付託一覧表、議案審査結果報告書、質問順序表は、お手元に配付いたしております。  以上でございます。  〔一覧表及び報告書は巻末資料に掲載〕  ―――――――――――――――――― ○議長(三上洋右) これより、議事に入ります。  日程第1、議案第11号を議題とします。  委員長報告を求めます。  財政市民委員長 三宅由美議員。  (三宅由美議員登壇) ◆三宅由美議員 財政市民委員会に付託されました議案第11号 北白石小学校北白石中学校改築工事請負契約締結の件につきまして、その審査結果をご報告いたします。  主な質疑として、今回、初めてWTO対象工事失格判断基準を適用した結果、多くの失格が発生し、落札率も高いとは言えないが、品質確保や下請へのしわ寄せ防止に向け、今後どのように施工管理を行うのか。納税者から見ると、失格判断基準の適用は高値での契約につながることから、下請の賃金改善などの効果を明示すべきだが、調査は行ったのか等の質疑がありました。  討論はなく、採決を行いましたところ、全会一致、可決すべきものと決定いたしました。  以上で、報告を終わります。 ○議長(三上洋右) ただいまの委員長報告に対し、質疑はありませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○議長(三上洋右) 質疑がなければ、討論に入ります。  通告がありますので、発言を許します。  松浦 忠議員。  (松浦 忠議員登壇) ◆松浦忠議員 市政改革クラブを代表して、上程されております本案件について、討論を行います。  まず、この案件に賛成か、反対かでありますが、我が会派は、反対であります。  その理由を申し述べます。  これは、ここの会場におられる皆さんで、傍聴席以外の皆さんはご存じかと思いますけれども、世界貿易機関、WTOが、それぞれの国が貿易をする中で、特定の国だけが利益を上げる、こういうことではうまくない、したがって、それぞれみんなが平等で公平な条件の中で入札などに参加をする、これを求めて、1996年の1月1日から日本もこの協定に締結し、公布をし、取り組んできたわけでありますね。  この中で、以前は、札幌市は、いわゆる失格、入札した札で一定金額よりも安ければ失格をさせるというものについては、いわゆる協定の本文の中に示されている条項に基づいてつくっておりませんでした。ところが、ことしから、この失格の基準をつくってそれを適用するようになりました。実は、WTOの政府調達の協定の中で、その精神は、内国的に差別をしないと同時に排除もしないということなのですね。  ところが、今回は、国際入札に関して、どういう形の中でいわゆる失格基準というものがつくられてきたかといったら、このことを担当する部署に問い合わせたら、明確なる、こういう基準でやったという判断が返ってきませんでした。返ってきた答えは、実は、当時の担当者が、いろいろな政令市でどんな入札方法をやっているかということを調べたら、何か、相模原市が今みたいなことをやっているということがわかったので、それで、実は札幌市独自でいろいろ考えてこういうことをしましたと、こういう答えなのですね。  私の方で、地方自治体を所管している総務省の方の行政課に問い合わせをしました。行政課は、基本的には、そういうような、札幌市が今回制定したような失格基準などについては、つくれともつくるなとも言いません、それは地方自治体の責任でやってくださいと、こういうことなのですね。  ところが、入札をした結果、例えば不満があるという会社がありましたら、それはまずどこに申し立てるかといったら、日本の内閣府の中に申し立てを受け付けて調整をする機関が一つある、それからもう一つは、スイスのジュネーブの世界貿易機関の本部に申し立てをする、この二つになっております。  今回、これを導入したということは、少なくとも、札幌市が、直接、国に対して、こういう考え方で導入していいかどうかという協議をするとかということならばまだいいのですが、それもしていない。調査をしたら、相模原で何かやっているから、それをやっているのだからうちもいいのではないかということでやったのが実態ですと。当時、これを担当した財政局の理事、現在、監査事務局事務局長になっている大居さんにもお聞きしました。そうしたら、大体そんな調子なのですね。上はだれまで相談したかと聞いたら、たしか副市長には相談したと思うけれどもと。これは、市長に相談したかと言ったら、市長まではしていない、こういうことなのですね。  今回、たまたま外国企業が参入していませんけれども、もし外国企業が参入をしていて、そして――今回、失格基準の中ではねられた一番高い落札率の人は75%台なのですね、75%台。(「76%だよ」と発言する者あり)76%か。ちょっと待てよ、今、資料を見るから。(発言する者あり)76.何がしと向こうで今言ったが、私も資料を持ってきて、ちょっと待てよ。  75.74%ですよ。今、言ったのは違うよ。75.74%、これが失格なのです、これが。そして、最低のところで調査入札になったのは76.56%で、1%も開いていないのです。そしてですよ、別件で言うと、A1クラスが入札に参加している10億円単位の工事では、もっと安いところで調査した結果、パーセンテージで言うともっと低い60%台で契約したのもあるのですね。あるのですよ。  したがって、一体、札幌市は、国際的なこういう協定を職員はどのように理解をしているのかといったら、職員は、聞いた以上では、まあ、全く理解していない。せめて、世の中をよく知っている、法律に詳しい市長にでも聞いたのならまだいいのだけれども、世の中を全く知らぬような副市長以下のところで相談しておる。そして、全く国際基準を理解しないでこういう制限を設けているということは、いいですか、これは、全く、私にしたら、国際都市さっぽろと言っている名前に極めて恥ずかしいことだ。  したがって、こういう案件を、きょう、ここで議決をすること自体、私は、避けるべきではないかと。この問題は、一たん審議延期にして、そして、きちっと、国際的にこれがこういう形の中でいいのかどうかと。  例えば、相模原市はどういうことを決めているかといったら、札幌市なんかよりももっと責任がとられないような決め方をしているのですよ。きょう、相模原から送ってもらいました。そうしたら、相模原市は、例えば、「70%未満だったら低入札価格調査を行う」なのです。70から75%だったら、4社以上、70から74で応札があったら、これは低入札の調査をしないと言っているのです――低入札調査を行うだ。低入札調査を行うと。そして、これ以上、75%以上は、全部、調査もしない、こういうことになっているのですよ、相模原は。  相模原よりももっと、言ってみれば、市内業者を、通常やっておるような、優遇施策をとっているような、こういうことをやっているのですよ。これで、訴えられたときに、一体、市長は責任がとれるのか。国際問題ですよ、これは。議決をしたら、私も皆さんも国際的な見識を問われるわけですよ、これ。私に言わせれば、こういうずさんな基準をもってして、いわゆる民間の施工業者にとっては死活問題である、仕事を確保できるかどうかという問題に、こういう線引きをしておるということは、札幌市の業務の執行が極めてずさんである、こう言わなければならぬわね、これ。  したがって、私は、きょう、できれば、議場の皆さんに問いかけたいのは、この議事を延期して、そして、そういうことをきちっと調査した上で、今回の入札のこの基準がよかったのかどうか、このことを、もう一回、審議し直してみるべきではないか、このことを私は皆さんに問いかけたいのです。それが議会の議員の役目なのです。  残念ながら、いろいろ関係部門に聞いてみて、どこか、ほかから聞かれたところがあったかと言ったら、ないと言うのですよ。私と堀川議員と2人だけだと言うのです、ここまで言っているのは。(発言する者あり)電話はしておるかどうか知らぬけれども、大体、電話をしておるのだったら、ここへ来てきちっと披瀝をして意見を述べるべきなのですよ。  したがって、こういうでたらめなことをやっていることで我々が議決に参加するということは、これは、いわゆる議員の資格を問われるのですよ。こんなことをやっておるから議員の歳費が高いなんて言われるのですよ、これ。(発言する者あり)  ふじわら君、黙って聞け、黙って聞けって、討論しておるのだから、あなたも言いたいことがあったらここへ来て言いなさい。それが、いわゆる議会制民主主義のルールだから、これ。  したがって、こういうようなことでやっているとしたら、市長のやっている分任というのは、私は、全く、市長は気の毒だ。信頼して分任しているそれぞれ分任者が、副市長以下のところで相談していることがこの内容だ。だとしたら、これは、全部、市長が大事なことは一つ一つチェックをして、そして、その上で決裁をしていくということをしない限り、公平・公正な札幌市の行政の執行は、まあ、あり得ないんじゃないか。  したがって、私は、皆さんに申し上げ、そして、ぜひ議長にも諮っていただきたいのは、以上のような非常に問題のある失格基準を適用して、そして入札行為を行ったということ、まさに入札そのものが失格である、こう断じざるを得ませんので、私は、ぜひ、議長においては、このことについて皆さんに諮っていただいて、議事の延期をしていただければよろしいのではないかなということを申し上げて、終わります。 ○議長(三上洋右) 以上で討論を終了し、採決に入ります。  本件を可決することに賛成の方は、ご起立願います。  (賛成者起立) ○議長(三上洋右) 起立多数です。  したがって、本件は、可決されました。  ―――――――――――――――――― ○議長(三上洋右) 次に、日程第2 議案第1号から第10号まで、第12号の11件を一括議題とします。  ただいまから、代表質問に入ります。  通告がありますので、順次、発言を許します。  細川正人議員。  (細川正人議員登壇・拍手) ◆細川正人議員 私は、ただいまから、自民党・市民会議を代表いたしまして、今定例会に上程をされました諸議案及び市政の諸課題について、私見を交えながら、順次、質問をさせていただきますが、まずは、さきの統一地方選挙において、見事、3選を果たされました上田市長に対しまして、心から敬意を表したいと存じます。  また、このたびの東日本大震災で亡くなられた多くの方々のご冥福を衷心よりお祈り申し上げますとともに、被災をされた皆様の心中、ご労苦をお察し申し上げ、心からお見舞いを申し上げたいと存じます。  実は、先日、同僚・先輩議員とともに、仙台市、石巻市、南三陸町、そして気仙沼市等々の被災地を視察してまいりましたが、3カ月を過ぎても、いまだ大量に残る瓦れきの山、そして、避難所生活を余儀なくされている方々のご様子を拝見し、言葉を失う状況でございました。復興と言うにはほど遠いものであり、まさにオールジャパンとして早急な取り組みが求められていることを痛感いたした次第でございます。  さらに、いま一つ、私が師と仰いでおりました元札幌市議会議員加藤 亨先生が、昨年8月、ご逝去されました。昭和38年から昭和62年まで6期24年の間、市政の進展のために、まさに先生のお言葉のとおり、ただひたすらに生き抜いてこられた方でありました。議会にあっては、時には大変厳しく、当時の板垣市長に対し、その姿勢をただしておられました。財政にも大変精通されておられた方でありまして、私などは足元にも及ばない者ではございますが、故加藤 亨先生をしのびつつ、質問に入らせていただきたいと存じます。  まず初めに、札幌市まちづくり戦略ビジョンについてであります。  上田市長は、現行の基本構想と第4次長期総合計画を抜本的に見直した上で、今後の社会経済情勢の変化を踏まえた、札幌市の新たなまちづくりの基本的な指針となる札幌市まちづくり戦略ビジョンを策定するとの方針を示されました。  我が会派としては、従前から、社会経済情勢が不透明なときこそ長期的なビジョンが必要で、そのようなビジョンを早急に策定すべきであると主張してまいりました。今回、新たな将来ビジョンを策定するとの方針に異論はございません。今後、情勢の変化への対応に乗りおくれることのないよう、スピード感を持った策定を進めていく必要があると考えております。  先日、まちづくり戦略ビジョン策定に当たっての基本的な考え方が示され、2年間で策定をし、現行の基本構想の要素に、第4次長期総合計画の要素も一部取り入れたものにすると述べられておりました。また、基本的な視点の中に、市民と共有できるビジョンにするといった観点から、内容は相当シンプルなものにするとの記述もあるものの、現行の基本構想や第4次長期総合計画の内容から、どの程度内容を絞り込み、変えていかれるのか、いまだはっきりとしていないのであります。今後、スピード感を持った議論を進めていく上で、あるいは、市民と議論を共有していくという意味でも、新たなビジョンにどのような項目を盛り込むのか、しっかりとイメージを持った上で策定作業を進めていくことが重要となります。  そこで、質問でありますが、新たに策定するまちづくり戦略ビジョンについては、現行の基本構想や第4次長期総合計画から、どの程度内容を絞り込み、どのような項目を盛り込むおつもりか、お伺いをいたします。  次に、今回の将来ビジョンの策定に当たっては、専門家、有識者から成る審議会や、市民選出委員から成る市民会議など、さまざまな枠組みを設けて議論を進めていくと聞き及んでおります。さまざまな枠組みを設けて議論をすることはもちろん重要でありますが、今後の札幌市の基本的なまちづくりビジョンを策定するということであれば、地域レベルでもしっかりと議論をし、地域のニーズや意見をしっかりと踏まえたものにしていく必要があるものと考えるのであります。審議会や市民会議などの一部の方々だけでの議論では、議論の内容が抽象的、総論的な内容に偏ってしまい、ビジョンの内容が地域レベルの議論とは相当にかけ離れたものになってしまうことも懸念がされます。実際、第4次長期総合計画の策定時には、各区を中心に地域レベルの議論を相当行っていたと記憶をしており、今回のビジョン策定に当たっても、地域をしっかりと策定プロセスの中に組み入れていく必要があると考えるのであります。  そこで、質問でありますが、今回のまちづくり戦略ビジョンの策定に当たって、地域レベルでの議論をどのように進めていくおつもりなのか、お伺いをいたします。
     次に、2点目の経済対策について質問をいたします。  まず、1点目は、札幌市における戦略的企業誘致の推進についてであります。  3月11日の東日本大震災、巨大地震、津波、原発事故、電力不足や工場の操業停止、物流の寸断など、相次ぎ我が国を襲った未曾有の災害は、世界の供給網、調達、いわゆるサプライチェーンに大きな影響を及ぼし、先端技術関連において日本がその重要拠点であることが改めて浮き彫りになり、一刻も早く生産拠点の復旧、経済活動の回復が望まれるところであります。  ここに来て、被災地においても一定のめどがつきつつあるものの、原材料、部品、部材の調達先をアジア諸国へ、国内においては中部、近畿など西日本寄りへシフトしているのが現状であります。その背景には、これらの地域は既に今日まで生産拠点としての機能を有していたからであります。  しかしながら、菅 直人首相が浜岡原発の停止を判断したことは、それらの地域において、今後、東海・東南海・南海地震の懸念が非常に高いと考えられているからであります。日本全体を見渡し、中長期の視点から考えるとき、このたびの大震災を教訓として、生産拠点の分散化を図り、リスクを最小限に回避しなければならないと考えます。私たちの暮らすこの北海道という地域が、日本国内においてその受け皿となるべきであり、特に、札幌を中心とした道央圏がその可能性を十分持ち合わせているものと考えるのであります。  そこで、質問でありますが、日本国内において、このリスク分散という視点で考えたとき、私たちの地域の認識についての市長の見解をまずお伺いいたします。  さらには、優位性と、一方、課題となることについての見解もあわせてお伺いをいたします。  企業誘致をするということは、当然ながら、そこに雇用が生まれ、特に、ものづくりである製造業の場合、その効果は、地場の中小企業も含め、さまざまな関連業種に及び、さらには、その技術やノウハウの蓄積が次世代へと継承され、新たな企業風土、文化が醸成されていくものと考えます。  札幌の現状を見ますと、サービス産業に大きく依存し、そのバランスは憂慮すべきものであります。我が会派は、以前より、自立した経済力をつくり上げ、札幌をもっと元気にしなければならないと訴えてまいりました。市長は、さっぽろ元気ビジョン第3ステージの中の活力みなぎる元気な街の中で、札幌の強みを生かした産業の育成と企業の誘致を掲げており、項目のくくりで戦略的な企業誘致を推進するとしております。現在、札幌を含め、北海道への企業誘致は大変厳しい現状であることは、市長自身も認識しているものと思います。だからこそ、本当に、言葉の羅列だけではなく、将来の札幌を考えるときに、真剣に取り組んでいかなければなし得ないことであり、まさに重要な課題であると考えるものであります。  そこで、質問をいたします。  市長の戦略的企業誘致とは、具体的にどのようなお考えなのか、その具体的戦略を述べていただきたいのであります。市長がこのまちのトップとして、企業誘致に向けてのお考えをお聞かせいただきたいと存じます。  他の都市、地域と比較して進出したいと検討する企業、または、積極的に誘致したいと考える企業に対し、強力なインセンティブを提供することはあるのでしょうか、あわせてお伺いをいたします。  次に、市長が掲げられた政策の柱の一つに、みんなで行動する環境の街を掲げられておりますが、我が会派も、従前から、新エネルギー・省エネルギーの推進については、低炭素社会の推進はもとより、地域を支えている産業を守り、育てていく観点から、また、こうした産業の創出により雇用の確保、創出にもつながる施策であるとして力を入れていくべきと主張してきたところであります。  最近、東日本大震災の影響もあって、札幌市内での家庭用太陽光発電設備に関する問い合わせが震災前に比べて大幅にふえているとのことであり、その背景の一つには、国や自治体による補助、助成も後押しをしているものと考えます。  日本を襲った未曾有の大震災により、経済活動、市民生活の直面する影響は本市においても例外ではなく、これまでにない経済・雇用対策や震災対応を含めた安心・安全対策について、市民生活や地域経済にいかに効果的に波及させていくかが重要であります。今回の補正予算案は、とりわけ中小企業の業績悪化が危惧される中で、札幌市の経済全体の底上げの観点からも積極性に欠ける予算ではないのか、そのように思わざるを得ないところであります。  そこで、経済対策の2点目は、札幌市環境負荷の低減等のための住宅リフォームの促進に関する条例、いわゆる住宅エコリフォーム条例に関する取り組みについてであります。  この条例は、環境負荷が少なく、安全・安心で快適な住環境の創出と、市内事業者活用による経済の活性化などを目的として、平成21年に全議員提案により成立したものであり、住宅のエコリフォームを実施する市民に対し、補助金を交付する事業として、平成22年より開始したものであります。昨年度は、申請件数43件であり、950万円余の補助を行っておりますが、注目すべきは、この制度を利用したさまざまな改修工事出来高が2億4,000万円とのことであります。さらに、今年度の申請状況を見ますと、5月9日の受け付け開始から2週間で既に予算額の1,500万円に達したとのことであり、現在は受け付けを終了していると聞いております。  ちなみに、今年度の申請件数73件に伴う改修工事出来高は、約3億2,000万円に上るものと聞き及んでおります。これらは、すべて市内の建設業者が施工するものであり、予算額の実に21倍もの非常に大きな経済波及効果が見込まれ、しかも、市民の安心・安全な住環境の促進にもつながる極めて有為な事業であります。環境意識が高まる中で、積雪寒冷地における札幌市においては、需要の拡大がますます加速することは必至であります。  そこで、質問でありますが、エコリフォーム条例が受け付け開始から2週間で予算額に達したことは、多くの市民の要望が高い事業であることを示しており、速やかに予算の確保を行い、追加募集をすべきと考えますがいかがか、お伺いをいたします。  経済対策の3点目は、新エネルギー・省エネルギーの推進についてであります。  平成20年度から行っている新エネルギー・省エネルギー機器導入の支援制度、いわゆる札幌・エネルギーecoプロジェクトにより、太陽光発電や高効率給湯器などの導入が進んでおりますが、環境施策としてばかりでなく、当該制度による地元設備業者への仕事の増加につながるなど、設置する市民や施工業者の双方から期待されている制度であります。経済効果としては、交付した補助金額の10倍以上の工事出来高があり、平成22年度では、この制度を利用した工事出来高は約13億円に上るものと聞き及んでおります。今年度の資金、補助予算額は1億4,500万円で、5回に分けて募集とのことですが、第1回目の募集では、予算の枠を大幅に超えた応募があり、当選倍率は平均で1.7倍程度になり、昨年度に引き続き、多くの方が抽せんで漏れたと聞いております。  今般の福島原発事故により、太陽光発電など市民の関心も大変高まっているのではないかと存じます。先日、上田市長は、今回の補正予算の説明の中で、省エネや再生可能エネルギーの促進により、原発に依存しない低炭素社会の推進を掲げるのであれば、推進するための有為な支援制度である札幌・エネルギーecoプロジェクトについてはさらなる予算確保が必要と考えるものであります。  そこで、質問ですが、省エネや再生可能エネルギーを促進するための支援制度である札幌・エネルギーecoプロジェクトについて拡充すべきと考えますがいかがか、お伺いをいたします。  次に、3点目の東日本大震災に伴う本市の対応策について質問をいたします。  先ほど申し上げましたが、被災地の視察の際、仙台市の議員から、次のような示唆をいただきました。それは防災訓練のあり方ですが、日ごろから地元の町内会の皆さんだけでさまざまな想定を行いながら行うことがいかに重要であるかということがわかりました、それはなぜか、大災害のときには、行政は即座には動いてくれないから、住民の力によってそういったことを行うことで、ともに協力して一緒に避難所を開設する、そういったことまで考えていくことができた、このように申しておりました。このことは、札幌における防災訓練のあり方についても新しい示唆を与えていただいているのではないかと考えますので、そのことについては申し上げておきたいと存じます。  それでは、質問をいたしますが、まず、1点目は、原子力事故対策についてであります。  3月11日に発生した東日本大震災は、東北地方の太平洋沿岸部を中心に、我が国全体に甚大な被害をもたらしました。特に、東京電力福島第一原子力発電所で発生した事故は、我が国エネルギー政策の根底を揺るがすだけでなく、国民生活への影響もはかり知れず、これまで類を見ない甚大なものであります。安全に関して万全であるべき原子力発電所で今なお放射性物質の流出が続いている事態は、極めて憂慮すべきものと言わざるを得ません。  今回の原子力発電所の事故につきましては、5月17日に、国から、福島第一原子力発電所事故の収束に向けた目標である、いわゆる工程表が示されたところであります。この工程表を見ましても、放射性物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられているという状態に達するまでには、目標レベルでも、早くても10月中旬、遅ければ来年1月中旬までかかるとされております。したがいまして、まだまだ予断を許さない状況であり、事故の収束にはしばらく時間を要するものと考えられ、今後も注視していかなければなりません。  一方、今回の放射性物質の流出に関しては、福島原発周辺だけにとどまらず、約200キロメートル離れた群馬県の牧草や千葉県の茶畑などにも基準値以上の放射性物質が検出されたなどという報道が連日なされておりました。こうした状況を考えますと、北海道電力の泊原子力発電所から札幌市役所まで70キロメートルにも満たない札幌といたしましても、決して他人ごとではなく、市民からも不安の声が多数寄せられております。  私は、原子力発電を否定するものではありません。しかし、エネルギー政策に関しては、国が短期、中期、長期といった政策をしっかりと指し示すことが求められていると考えます。まさに、短期で考えた場合には、原子力発電所のより高い安全対策が即座に施されなければなりません。そして、本市では、万が一の場合を想定した防災体制の確立こそが求められていると思います。  そこで、質問ですが、札幌市民の不安を解消するため、札幌市として、原子力事故に対する備えを進める必要があると考えますが、どのようにお考えなのか、お伺いをいたします。  続きまして、2点目は、避難場所の冬の寒さ対策についてであります。  今回の震災では、家を流された多くの被災者が学校などの公共施設の収容避難場所へ避難をし、今なお、警察発表では8万人を超える被災者が避難生活を余儀なくされております。被災直後、収容避難場所では、停電などにより施設の暖房設備が停止したことに加え、道路、鉄道などの物流網が寸断をされ、防寒具や食料などの救援物資が収容避難場所へ届かず、避難した多くの方々は寒さと空腹に耐えていたということであります。また、収容避難場所の寒さや衛生状態の悪さから、インフルエンザや風邪などの感染症が広がったり、高齢者や持病のある避難者は体調の悪化などで亡くなったケースもあったということであります。  本市の収容避難場所については、現在のところ、市内の小・中学校などを中心に608カ所を指定しているということであります。各収容避難場所については、暖房設備が完備されているということでありますが、地震災害によってライフラインが途絶した場合、こういった設備が使用できないことも十分想定をされます。積雪寒冷地である本市において、冬の地震を想定した場合、収容避難場所の寒さ対策は、東日本大震災の教訓からも最も重要な課題の一つであろうと考えます。  そこで、本市における収容避難場所での寒さ対策についてどのように考えておられるのか、お伺いをいたします。  さらに、3点目は、いわゆる災害弱者への支援のあり方についてであります。  さきの3月11日の東日本大震災において、障がい者や高齢者などの災害弱者と言われる方々も多数犠牲になられたと推察をしております。特に、災害弱者と言われる方々は、さまざまなハンディにより、災害時における避難等の行動の制約が考えられるため、非常時には隣近所などの地域の方々との支え合う体制を確立していくことが急務であると私どもは考えております。  国は、平成17年から18年にかけて、災害時要援護者の避難支援ガイドラインの策定をすべての自治体に働きかけ、本市におきましても、平成19年度に災害時要支援者の避難支援の基本的指針となるガイドラインと、地域における取り組みの手引書となるハンドブックを平成20年3月に策定し、平成20年度から3年間地域主体の取り組みの拡大を図るため、地域の取り組み支援や普及啓発を実施し、いわゆるモデル事業としてこの3年間で10地区において取り組みを進めてきたところであります。本年度からは、モデル事業から各区、各地域への本格的拡大を図るため、区役所に業務を移し、体制づくりの緒についたところであります。  しかしながら、近年の全国の災害の死者、行方不明者を見ますと、半数以上がいわゆる災害弱者と言われる方々が犠牲になっております。現在、災害時に支援が必要とされる要援護者は、みずから登録をする手挙げ方式と、支援する団体等から、直接、本人に働きかける同意方式の二つの方式での登録でありますが、それから外れた方々をどのようにフォローしていくのかという課題も実は残されております。この課題については、過去、我が会派の代表質問や特別委員会などでも質問させていただきましたが、プライバシーなどの個人情報保護法との兼ね合いで、地域での援護者を必要とされるすべての人が登録できるようなことも、法整備を含めて考えていかなければならないものと存じます。  そこで、質問でありますが、モデル事業が終了し、どのように総括をされ、どのような課題があるのか、お尋ねを申し上げます。  また、今年度から事業を区役所の業務としたわけでありますが、本格的に拡大するために、モデル事業の総括をどのように生かしていくのか、お尋ねをいたします。  さらに、近年、異常気象と思われる集中豪雨や地震の多発、そして、今回の東日本大震災と札幌市民の防災に対する関心は非常に高くなっております。このようなときこそ、防災を初めとする新たな体制づくりを進めていくべきであり、あのような大震災であれば特に地域における体制づくりが急務であります。行政は、市民の生命、財産を守る責務があり、人の命のとうとさを考えますと、要援護者の登録や支援体制づくりは、期間を決めた対応と、それを補完する条例等の法整備をしていくことが必要と考えるものであります。  そこで、質問でありますが、全市における災害時要援護者の登録や支援体制の確立を、何をさておいても早急に取り組むべきと考えますがいかがか、ご見解をお伺いいたします。  次に、4点目の不祥事防止の取り組み姿勢について質問をいたします。  市長は、定例記者会見で、みずからの処分に関して、首長がいわゆるペナルティーをどういうふうに負うかという場合には、いろいろなこれまでの事例の集積があります、その中で、組織的な犯罪、あるいは、組織的な不条理な事件を引き起こした、規律違反を起こしたという場合にも、それは首長の責任ということで具体的な形で処断する、みずからを律するということはありますが、個別の職員の単体の事件という場合については、そういう事例はないように思いますとお答えになっております。  今回の事件は、職員の単体の事件とお考えのようでありますが、このたび示された改善策では、組織における事務管理上の不備が招いたものとの認識に立って、組織体制の見直しや情報管理システムの構築など、組織としての欠陥の見直しが行われているものと存じます。まさに、何からの組織としての問題点があったからこそ、引き起こされた面を否定できないのではないかと考えるものであります。今回の汚職事件が個別の職員の単体の事件とした市長のお考えには矛盾を感ずるのですがいかがか、お伺いをいたします。  また、記者会見では、市長みずからの責任のとり方の問題として、再発を防止するということが最も責任の所在を明らかにする方法であるとお答えになり、また、議会の財政市民委員会では、組織体制で再発防止をするためのさまざまな工夫をしようということで、具体的に対策を立てているということも含めて、私どもの姿勢として、市民の皆様にご理解をいただく責任のとり方とさせていただきたいと、責任のとり方としての再発防止策を掲げられておりました。しかし、今回、議会に示されました再発防止策は、入札妨害罪にかかわっての再発防止策ということで、その内容からも、管財部に特化した形での防止策とも言えるものであり、しかも、私どもからしますと、極めて基本的な対策が羅列されているとの印象がぬぐえないのであります。  しかし、問題といたしますのは、ご承知のとおり、入札という行為は、市と事業者との請負、委託、役務の提供など、契約の前提の手段の一つであり、下水道談合事件では、いわゆる特命随意契約が問題となったことは記憶に新しいところであります。さらに申し上げますと、物品購入や請負、委託、役務の提供など、いわゆる契約行為は、実は札幌市役所の全部局にわたって行われており、管財部だけの問題にはとどまらないのであります。  市長の今回の最優先課題は、市役所の業務執行体制に対する信頼を大きく失墜させたことへの迅速な全庁的取り組みであり、そのためには、契約行為全般にわたっての改善策を示すことが市長の責任の所在を明らかにする方法ではないでしょうか。札幌市では、平成20年1月に札幌市不祥事防止委員会を立ち上げておりますが、今回の検討会議では、その任務をしっかり果たしたとは言えないのではないのか、市長は、今回の再発防止策に向けた改善策をもってよしとするのか、このたびの事件のみに限定し、不祥事に至った課題等を並べるだけでは何ら改善策を講じていないのに等しいのではないかと思うのであります。  私は、今申し上げたように、不祥事防止委員会を機能させ、契約事務まで含めた全庁的な検証を踏まえ、防止策について改めて示すことが求められていると思いますがいかがか、お伺いをいたします。  次に、5点目の路面電車延伸について質問をいたします。  平成17年2月に市長が路面電車の存続を決断されて以来、路面電車の存続そのものを含め、さまざまな視点での市民会議や検討会議などでの議論や、路線沿線を初め、多くの市民や経済界などから提言、意見が出されておりましたが、市長は、このたびの市長選挙中における各報道機関とのインタビューの中で、路面電車延伸については、公約に示されたように、まずは既設線のループ化を先行させるとし、これと並行して札幌駅方面への延伸を具体的に検討していくとの考えを示されたところであります。  このたび上程をされました補正予算案にも、予備設計など路面電車延伸事業として計上をされております。ただ、既設線のループ化については、かつて、定例記者会見において路面電車存続の決断の前提であったとのお考えを示されてはいるものの、その後の平成22年3月の路線の延伸は実施すべきとの考えに基づく路面電車活用方針の策定と、これを踏まえての市民会議などでの具体的な路線延伸ばかりが大きく扱われたことなどもあって、ループ化は影を潜めたとの感が否めず、市長公約の既設線のループ化について唐突感を持たれた市民も多く、私どもの会派にも多くの意見が寄せられているところでもあります。  これまでにも、路面電車の活用には、経営の効率化や利用者負担のあり方、また、札幌市の将来の交通のあり方との整合などが問題、課題として取り上げられているのであります。  昨年、札幌市路面電車活用方針に基づく路線の延伸等の議論の場として開催をされました、30人規模と100人規模の二つの路面電車の活用を考える市民会議においても、こうした点について多くの参加者が課題視をしていたところであります。また、会議の議論の内容を見ますと、まず、30人会議では、「ただ延ばすだけじゃダメ!」と題し、課題の1番に採算性の向上へ向けた努力が必要とうたわれており、また、会議2日目のまとめの中では、既存路線の課題解決しない段階で延伸論議は拙速との記述も見られます。  一方、100人会議では、路面電車の活用検討に際して、優先的に取り組む課題として、「採算がとれるか不明で、赤字では財政が圧迫される」が最も重要であるとされており、さらに注目すべきは、課題に関するグループ討議において、赤字、採算性というキーワードを使用しているグループが、全18グループのうち、実に半数の9グループもあったことであります。このほかに、同義的なものとして財政負担、費用対効果を使用したグループもありました。こうした状況を見ますと、路面電車の事業経営に関して非常に高い関心を持っていることを酌み取ることができます。  かねてより、我が会派では、事業継続には抜本的な経営の効率化を図ることがポイントであり、そうした視点に立っての民営化を前提とした電車事業のあり方について提言をしてまいりましたが、市民の皆さんの目線もそのことを物語っていると確信させていただきました。  そこで、ループ化を含め、路線延伸について、まずは経営形態の見直しを行い、黒字化のめどを立ててから論ずるべきであると考えますがいかがか、お伺いをいたします。  また、先ほど申し上げました100人会議での路面電車の活用検討に際して、優先的に取り組むべき課題の3番目に、まちづくり全体を見据えた計画になっていないということが挙げられております。このことは、路面電車の延伸のみを念頭に議論することへの一つのアンチテーゼでもあると思います。路面電車は、公共交通機関の一つの手段であり、都心を中心に、札幌というまちの交通体系においてどういう位置づけなのかという視点での検討がなされなければ、広く、そして多数の市民の理解は得られないと思うのであります。  市長は、3選直後の新聞社のインタビューの中で、南1条の地上部のトランジットモール化や地下歩行空間整備について表明をされておりましたが、これも路面電車の延伸ありきではないかと感じざるを得ません。市民にとって、さまざまな沿線事業者にとって、来客者にとって、幅広くコンセンサスを得られるまちづくりを行っていくというビジョンをしっかり持った上で、こうしたことは進められなければならないものと考えますがいかがか、お伺いをいたします。  次に、6点目の中央体育館整備について質問をいたします。  現在の中央体育館は、施設の老朽化や耐震性能の低さなど、一刻も早く対応しなければならない課題を抱えており、これまで、私は、代表質問や決算特別委員会で札幌市の考え方について確認し、建設の具体化を求めてまいりましたが、具体化の様相を見せることなく時間ばかりが経過をしてまいりました。  今回の補正予算案には、新中央体育館基本構想策定事業費が計上されておりますので、長年の懸案であった中央体育館の建設に向けて検討が本格化することを期待する一方で、敷地が狭い現在地での建てかえは困難なことと思いますし、また、移転するにしても候補地の絞り込みに苦慮することは容易に想像できます。しかしながら、新たな中央体育館の建設は、市長がマニフェストに掲げ、市民の皆さんに約束をしたことでありますから、早急に建設地を決定し、スピード感を持って取り組んでいただくことを強く求めたいのであります。  さて、基本構想の策定を前に改めて確認をしておきますが、現在の中央体育館は、各区の体育館とは性格が異なり、札幌市全体の中核的な体育館であって、中央区民の体育館としては少々使い勝手が悪いように感じます。このことは利用実態からも明らかであり、各区の体育館では個人利用の割合が8割程度と高いのに比較し、中央体育館では4割程度にとどまっております。中央区には、個人利用の割合が高い中島体育センターもありますから、これとの機能分担あるいは統合なども考えられますが、いずれにいたしましても、区民の体育館が中央区にはなく、新たな中央体育館の建設に際しては、区民体育館としての機能を市民が利用しやすい場所に確保する必要があると考えるのであります。  また、ご承知のとおり、札幌市には国際大会や全国大会が開催可能な北海道立総合体育センター、いわゆるきたえーるがあり、スポーツ大会や大規模なイベントなどで大いに利用されておりますが、一方で、市民レベルの大会にはなかなか予約がとれず、中央体育館などで開催されることが多いと聞いております。中央体育館には、各区の体育館にはない観客席を有しており、大会での利用が多いのもうなずけますが、それにしても、500席しかない観客席や諸室の狭さなどを見るにつけ、いかにも中途半端な感が否めません。  今回の基本構想の策定に当たり、利用実態調査や関係団体へのヒアリングを行うとしていますが、私は、区民体育館としての市民利用をしっかり確保した上で、きたえーるとは一味違った利用のあり方、つまりは、市民スポーツの拠点としてさまざまなスポーツ大会の場を提供できる施設とする必要があると考えるのであります。  そこで、質問でありますが、今回の基本構想ではどのようなことが示されるのか、また、基本構想の策定に当たっては、先ほど私が指摘をいたしました、市民利用の確保とさまざまなスポーツ大会の場の提供という視点が欠かせないと考えますが、市長のお考えをお伺いいたします。  次に、7点目の雪対策について質問をいたします。  昨シーズンを振り返りますと、札幌管区気象台における札幌市全体累計降雪量は、467センチと平年値の597センチを大きく下回っておりますが、1月上旬から中旬にかけ、北区、東区、厚別区などを中心に、連日、大雪が降り続き、気温も低く推移したことから、急激に積雪がふえ、一部の地域においては除排雪作業が追いつかないという事態が発生したということは記憶に新しいところであります。特に、北区の篠路地区やあいの里地区などにおいては、幹線道路でも道路わきの雪山によって通行幅が狭くなり、路線バスがすれ違えなく、一時運休や経路変更をせざるを得ない状況が発生いたしました。また、住宅街においては、道路の圧雪が1メートル近くに及んだところもあり、深いわだちや段差が発生し、至るところで宅配トラックやタンクローリーが大変難儀をして通行していたとの状況も耳にしているところでもあります。  札幌市は、年間の降雪量が5メートルを超える、世界でも類を見ない多雪大都市であり、冬期間の大都市機能を可能にしているのは、これまで札幌市の公共事業を担ってきた地元の建設業者の除排雪体制であると言っても過言ではありません。  しかしながら、近年におきましては、長引く不況による廃業、倒産、除雪機械の老朽化やダンプトラックの不足、作業従事者の高齢化、雪たい積場の確保などの問題が顕在化しており、体制の弱体化が過去より指摘をされております。このような指摘に対し、本市では、一昨年11月、札幌市冬のみちづくりプランを策定し、安定的に雪対策事業を継続していくためのさまざまな取り組みを進めてきているところでありますが、昨シーズンの大雪時の状況及びその対応を見ますと、私は、大きく二つの側面について問題、課題があったのではないかと考えております。  まず、1点目は、除雪体制であります。  札幌市では、昨年度より、中央区、白石区、厚別区、豊平区、清田区の5区で夏冬一体化の試行に取り組んでおります。これは、夏冬を通じた雇用の確保、除雪機械の有効活用などにより、企業の経営体力を強化し、安定的な除雪体制を目指すものであり、今年度からは全市10区での試行を実施すると聞いておりますが、昨シーズンにおいては局地的な大雪による混乱という心配された事態が発生して、新たな課題が一つ浮き彫りになったのではないでしょうか。例えば、北区、東区などでは、積み込み機械やダンプトラックの数が限られているということから、運搬排雪が当初計画どおりに進まず、大幅におくれるという事態が発生をいたしました。これに対し、市では、緊急的に、雪が少なかった豊平区、清田区など5区から、ダンプトラックを初めとする運搬排雪の作業班を派遣して対応したとのことであります。このような応援は、マルチゾーン除雪体制が始まって以来、初めての取り組みということであり、応援に行った一部の企業からは、初めのうちは機材や人員の確保などが大変だったとの話も聞いているところであります。  また、地域によっては、大雪の影響だけではなく、受託業者の経験や能力の不足により作業が滞り、混乱に拍車がかかったとの話も聞いております。除雪業務の受託に当たり、受注機会の拡大や透明性を確保するといった観点から、入札参加条件をある程度緩和するということは理解できますが、それによって能力不足の企業が参入をし、市民生活に支障が出るような事態となってしまっては本末転倒であり、この点についても課題になったのではないかと考えます。こうしたことを勘案しますと、機動性、確実性の高い除雪体制を改めて確立する必要性を指摘したいのであります。  次に、2点目は、札幌市冬のみちづくりプランの検証であります。  昨シーズン中に市に寄せられた苦情の要望の件数は、平成21年度シーズンの約2倍に当たる2万8,000件にも及んだとのことであります。中でも最も多かったのは、生活道路でわだちやざくざく路面などで車が走りづらいということに関連するもので、8,200件と前年に比べ8.6倍に急増したとのことであります。あれだけの大雪でしたので、生活道路まで除雪が行き届くにはそれ相応の時間が必要だというのは理解をしますが、苦情や要望が増加した本質は、本市の財政面から、除排雪抑制による除雪基準変更によるプランそのものによるものではないかと推測をしており、市民生活をしっかりと守るための除雪体制ではなく、費用面から見た行政側の除雪体制になっているのではないかとすら感ずるのですが、その検証をいかになされたのかも気になるところであります。  この3月11日に発生をいたしました東日本大震災、あの未曾有の大災害における甚大な被災状況を目の当たりにしますと、もし同じような大地震が厳冬期の札幌で発生したらどのようになってしまうのかと、多くの市民は不安を覚えているものと考えます。平成20年度の札幌市防災会議に提出をされた第3次地震被害想定におきましては、積雪によって避難行動や作業等の効率が夏の間に比べて7割になると仮定をしており、夏に比べて人命やライフラインの復旧への影響が大きいとしております。こうしたことを考えますと、札幌市の雪対策は、昨シーズンのような局地的な大雪にも対応ができ、市民本位で信頼されるものでなければならないと考えるところであります。  そこで、質問の一つ目でありますが、冬のみちづくりプランが策定されてから2シーズンが経過したわけですけれども、昨シーズンを振り返ってどのように総括をしているのか、また、1月の大雪への対応についてはどのように認識を持っているのか、お伺いをいたします。  質問の二つ目として、昨シーズンを踏まえて、今冬に向けてどのような対策を講ずるつもりなのか、お伺いをいたします。  次に、8点目の障がい者支援施策について質問をいたします。  平成15年3月に策定された札幌市障害者保健福祉計画では、入院生活から在宅生活への円滑な移行を支援し、要介護度と障がいを軽減するため、地域リハビリテーション体制のあり方などを検討するとともに、各種機能訓練を引き続き実施し、リハビリテーション体制の充実に努めるとしております。  リハビリテーションには、高齢者が寝たきり状態になることを予防するために、脳卒中や骨折等による障がいが発生したときの急性期リハビリテーション、さらには、症状が安定している時期に対応した維持期リハビリテーションというように、それぞれの状態に応じた適切なリハビリテーションが必要であると言われております。また、リハビリテーションを必要とする対象者は、高齢者、障がい者にとどまらず、疾患別に考えますと脳卒中の後遺症のある方や難病の方、障がいの種別で見ますと聴力や視力に障がいのある方、歩くのが不自由な方、手が不自由な方々など、さまざまな状態があります。  政令指定都市では、横浜市、名古屋市、京都市、大阪市、広島市、北九州市で既に地域リハビリテーションを支援する中核施設としてリハビリテーションセンターを設置しております。これらの都市のうち、平成20年に開設をした広島総合リハビリテーションセンターを例にとりますと、総合相談室、リハビリテーション病院及び自立訓練施設を兼ね備え、生活習慣病に起因する脳血管障がいなどの疾病や、交通事故等に伴う脊椎損傷などによる中途障がい者に対して、相談、評価から医療、訓練、就労支援までのリハビリテーションサービスを一貫した計画のもとに提供しており、中途障がい者等の社会復帰を促進しております。こうした施設には、身体障害者更正相談所を併設し、身体障害者手帳、義肢等の補装具の判定を行える総合相談センター的機能を有しているとも聞いております。  我が会派は、リハビリテーションの関係領域は非常に多岐にわたるため、総合的かつ専門的機能を備えた地域リハビリテーションの中間となる施設があれば、高齢者や障がい者はもとより、在宅でこれらの人たちとともに生活をする家族やさまざまなサービスを提供する保健・医療・福祉の関係者にとっても非常に心強いものになるものと考え、建設すべきとの立場から強い関心を持ってまいりましたが、札幌市では、これまで地域リハビリテーションの建設を検討しつつも、設置には至っておりません。  そこで、質問でありますが、高齢者や障がい者のリハビリテーションを支援するため、その中核施設となるリハビリテーションセンターの建設について、札幌市としてどのように検討がなされ、どのように取り組まれてこられたのか、これまでの経緯と今後の展望についてお伺いをいたします。  次に、9点目、公契約条例について質問をいたします。  このたびの市長選挙において、上田市長の公約に掲げられた公契約条例の制定について、市長の1期目でも公約で掲げられていたところでありますが、今年1月の臨時市長記者会見での記者の質問に、これまでちゅうちょしていた部分について、その点を解明する一つの手がかりとして野田市あるいは川崎市の実施状況などを見た上で、今後も制定に向けて検討していきたいとの趣旨を述べられていたようであります。  記者会見で市長が挙げられた両市における条例制定は、全国初の野田市は平成21年9月、川崎市は22年12月であり、施行されてからまだ日が浅いところでありますが、対象事業の適用範囲の問題点や、最低制限価格の引き上げなど入札制度改正の必要性など、さまざまな課題が顕在化していると聞き及んでおり、また、同時期に条例案が提出された尼崎市では平成21年5月の議会で否決をされたとのことでありました。札幌市における公契約条例の制定についても、さまざまな議論や検討が必要であるものと認識をするものであります。  私ども会派といたしましても、労働者に確実に賃金が支払われ、適正な労働環境が確保されること自体は異とするものではありません。平成17年に公共工事の品質確保の促進に関する法律が制定をされ、経済性に配慮しつつ、価格以外の多様な要素をも考慮する総合評価方式により、価格と品質が総合的にすぐれた内容の契約を目指すことだとなったものでありますが、その一方で、下請事業者等での労働者の賃金に影響が及んでいる現状があるとするならば、まずは、現行の公共工事の品質確保の促進に関する法律を含め、国における労働関連の法整備で対応すべきと考えるものであります。  ご承知のとおり、経済全体の水準をあらわす札幌市の総生産額が北海道と同様に低調に推移をし、長期にわたり低迷が続く市内の企業の景況感、さらには、全国に比べ低水準のまま推移をしている有効求人倍率など、札幌市を取り巻く厳しい経済環境、雇用情勢の中で、いかに力強い経済基盤を確立するかが喫緊の課題となっております。特に、ここ数年間における公共事業の大幅な削減のもとで、建設産業の倒産や廃業が顕著化してきており、こうした建設産業に従事する従業員の雇用の確保も危惧されるといった状況になっております。  条例制定により一定基準以上の賃金の支払いを義務づけることで受注企業の経営が圧迫されることが懸念され、存続が脅かされることになれば、地域経済の健全な発展に深刻な打撃を与えかねないということになります。こうした状況や懸念がある中で、いわゆる公契約による労働者の賃金を優先的に改善しなければならないとすることは、なかなか難しいものがあるのではないでしょうか。労働者の雇用、賃金の確保と公共事業の品質を維持するためには、受注企業等の経営努力に加えて、札幌市との適正な受注金額による契約がなされることが何よりも重要なことと考えるのであります。  そこで、質問でありますが、公契約条例が企業経営を圧迫するようなことになれば本末転倒と思いますが、市長は、このことについてどのように認識をされているのか、また、厳しい経済・雇用情勢のもとでは、受注企業の経営基盤の強化が不可欠であり、まずは、最低制限価格の引き上げについて条例制定前に検討すべきと考えますがいかがか、お伺いをいたします。  最後に、10点目の教育問題について質問をいたします。  札幌市における全国学力テストの結果は、ここ数年、おおむね全国の平均値にとどまっており、引き続き、本市としての課題を明らかにし、実効性ある検討を進めていただくことを強く求めるものでありますが、そのためにも、学校における指導については教職員の資質や指導力の向上が欠かせないものであります。  教育委員会では、10年経験者研修、15年経験者研修を初め、さまざまな形での教員の研修に取り組まれておりますが、多くの実践の中で子どもたちの学ぶ意欲を向上させることが大切であります。一方、近年においては、学力の問題とあわせ、いじめや不登校を未然に防ぐ校内体制づくり、安全・安心の学校づくり、地域における学校支援連携体制の構築、地域の教育力の活用など、家庭や地域社会に密接にかかわる学校経営としての課題も多くなっており、学校自身はもとより、教員としての課題認識も求められております。  こうしたことから、私といたしましては、社会の変化がさらに加速することが予想される中で、子どもの実態や社会環境の変化などを的確にとらえ、課題解決にうまく対応できるためにも、より一層の教員の資質向上に向けた取り組みが重要であると感じております。  一例でありますが、現在、北海道教育大学に教職大学院というものがあり、この教職大学院では、現場の教員が大学院で学校経営、学級経営、生徒指導、教科指導などの理論と実践力を身につけ、学校や地域社会で中核となって活躍できる中堅リーダーとなるよう、平成20年に設置されたものであります。この教職大学院には、北海道教育委員会が有給で派遣をしている現職教員のほかに、平日には学校で勤務しながら、勤務を終えた平日の夜間及び土曜日に通学をしている教員もいるとのことであります。今のところ、履修者、修了者はまだ少数にとどまっているということでありました。こうした大学院履修教員がふえ、より多くの子どもたちの指導に当たることによって、将来の北海道、札幌というまちをしっかりと支えていく有為な人材の養成につながる取り組みではないでしょうか。  そこで、質問ですが、教職員の資質向上を図る上で、北海道教育大学教職大学院及びその修了者の活用について、教育委員会としての認識をお伺いいたします。  以上で、私の質問はすべて終了いたします。ご清聴まことにありがとうございました。(拍手) ○議長(三上洋右) 答弁を求めます。
     上田市長。 ◎市長(上田文雄) 冒頭に丁重なごあいさつをちょうだいいたしました。ありがとうございます。与えられました使命をしっかりと最大限の努力をもってなし遂げたい、このような決意でいることをお誓い申し上げまして、答弁とさせていただきたいと思います。  詳細なご質問をちょうだいいたしました。10項目ございますけれども、私からは、前半の5項目について答弁をさせていただき、その余は担当の副市長並びに教育長からも答弁をさせていただきますので、よろしくお聞き取りいただきたいと存じます。  まず、札幌市のまちづくり戦略ビジョンについてご質問でございますので、お答えをいたします。  1点目のビジョンに盛り込む内容についてということでございますが、まちづくり戦略ビジョンにつきましては、新たなまちづくりの基本的な指針となるということでありますので、現行の基本構想の要素に第4次の長期総合計画の要素の一部を取り入れたい、そういう内容としたいと考えております。現時点では、ビジョンに盛り込むべき項目といたしましては、札幌市の目指すべき都市像、まちづくりの基本的な方向性、目標、まちづくりの重点戦略などを想定しておりますが、具体的な内容につきましては、今後、審議会の議論などを踏まえながら検討してまいりたい、このように考えております。  次に、2点目の地域レベルでの議論の進め方ということでございますが、私は、ビジョンの策定により多くの市民の皆さん方にかかわっていただくということで、市政に対する関心、あるいはまちづくりへの参加意欲、あるいは参加意識といったものを高めて、新たなまちづくりの担い手の育成につなげていくということが極めて重要なことである、このように考えております。したがいまして、市民の皆さんの身近なまちづくりの実践の場であります各地域において、札幌の将来のまちづくりについて積極的に議論していただきたい、このように考えておりまして、今後、地域のご意見も十分に踏まえながら具体的な進め方を検討してまいりたいと考えているところでございます。  ご指摘の点、十分に考慮させていただきたいと存じます。  次に、経済対策についてご質問でございます。  1点目の企業誘致ということでありますが、まず、札幌市を中心とした道央圏に対する認識についてであります。  申すまでもなく、この地域は、地震や台風といった自然災害がこれまでのところ少ないという特色がございます。また、冷涼な気候であるといった地域特性に加えまして、高度な都市機能も有しております。また、電力の供給面でも比較的余裕がございまして、企業のリスク分散の受け皿としての優位性といったものが十分にある、このように考えております。一方で、物流面での条件設備だとか、あるいは、分野によっては関係業種の集積が十分ではないという課題があるというふうにも考えております。物流面という点でありますが、新幹線の札幌延伸がいまだ見通しが立っていないということも大きな課題である、このようにも言えるというふうに思います。  次に、戦略的な企業誘致の考え方ということでありますが、企業誘致に当たっては、時代のニーズと社会情勢の変化に合わせて対象分野というものを明確化した上で取り組むことが重要であると考えております。具体的には、コールセンターやIT企業等、現時点で札幌市の強みを生かした誘致を進めるということの一方で、製造業などについては、近隣の市町村と、互いの強みとか、あるいは弱み、こういったものを補完し合うということによりまして、道央圏としての一体的な誘致に取り組むものであります。  なお、このインセンティブのあり方についてでございますが、必要に応じて検討してまいりたいというふうに考えております。  次に、2点目の住宅エコリフォーム条例に関する取り組みについてでございますが、議員の皆さん方の提案による条例でございまして、これが大変有効に活用されているということは大変喜ばしいことと私も考えているところであります。  今年度の補助事業につきましては、補助要件の緩和や、より手続をしやすい制度といったものに見直したということ等もありまして、短期間で当初の予算額に達したところでございます。今後の対応につきましては、財源の一部が国費でありますことから、国とも十分な協議を必要とするところでありますけれども、その経済効果や市民のニーズというものが非常に高いということも踏まえまして、追加募集に向けて努力をしていきたい、このように考えているところでございます。  3点目の札幌・エネルギーecoプロジェクトの拡充についてということでありますが、平成20年度に開始いたしましたこの制度でありますけれども、平成22年度までの3年間で、札幌市内に、太陽光発電や、あるいは高効率の給湯器、これの需要が非常に大きいようでありますが、これらの普及というものが大幅に進みまして、大きな成果があったというふうに考えております。今後も、引き続き、低炭素社会のさらなる推進に向けまして、支援制度の効果的なあり方と拡充について検討し、新エネ・省エネ機器の導入促進を図ってまいりたいと考えているところでございます。  次に、東日本大震災に伴う札幌市の対応策についてお答えをいたします。  まず、1点目の原子力事故対策ということでありますが、札幌市では、市内の放射性物質を扱う医療機関での事故などを想定いたしました放射性同位元素等事故対策編というものを地域防災計画の中で定めておりまして、原子力事故が発生した場合の対策につきましては、この計画に準じて実施をするということといたしております。  しかしながら、福島第一原子力発電所の今回の事故において、これまでの想定を大きく超えた被害が発生している状況を踏まえましたならば、現状の原子力事故対策について大きく見直しを進める必要がある、このように認識をするわけでございます。  現在、北海道が原子力防災計画の見直しに向けた取り組みを進めておりますことから、この見直しと整合を図りながら、迅速な情報収集、放射性物質などに関する測定のあり方、あるいは、市民への適切な情報発信の方策などについて有識者の意見を伺いながら、原子力発電所の事故が起きた場合の対応策について検討してまいりたいと考えているところであります。  次に、2点目の避難場所の冬の寒さ対策についてでございます。  現在、札幌市では、家屋の倒壊等により寝具等を持ち出せない方々を対象にいたしまして毛布、寝袋を備蓄しておりますが、そのほかに、自衛隊を初め、災害時において協力協定を結んでおります団体から、移動式の暖房器具だとか、あるいは燃料の提供といったことを受けることにいたしているところであります。  このたびの東日本大震災を踏まえた早急な対策といたしまして、寝袋などの防寒用品の増強を行い、あわせて、ライフラインが途絶し、収容避難場所の暖房設備の機能が停止をしたというような場合の緊急措置的な暖房方法についても、調査検討を行うことといたしております。今後とも、補助暖房の充実や、あるいは防寒用品の備蓄増強、さらには、学校体育館の高断熱化というようなことについても検討をし、収容避難場所の寒さ対策を進めてまいりたい、このように考えております。  次に、災害弱者への支援のあり方についてということでございますが、お答えいたします。  1点目の災害時要援護者避難支援モデル事業を実施した総括についてということでございますが、災害発生時に円滑に避難支援を行うためには、近隣の交流を通じて、支援される方と支援する方、この両方の日常的なつながりというものが築かれていることが非常に重要であるというふうに、そして、それが重要であるということと同時に、このことが非常に有効であるということを改めて確認させていただいているところでございます。議員もご指摘のとおりでございまして、日常からの近隣者との交流といったことが最も災害時には有効な手だてになる、これは今回も証明されたところでありますけれども、阪神・淡路大震災においてもそのようなことが言われていることを、改めて今回の調査等によっても明らかになったところでございます。  また、災害時に支援を必要とする方々の情報収集のあり方ということについても大きな課題であるというふうに考えております。  次に、2点目のモデル事業の総括の今後の生かし方ということでありますが、今後、この事業を展開していくためには、常日ごろから見守り活動を実践している民生委員・児童委員、福祉のまち推進センター、町内会、あるいは自治会等、地域で活動をされているさまざまな団体が事業の必要性を幅広く理解して、行政とともに取り組んでいただくことが重要でございまして、このための継続的な支援というものが必要であると考えているところでございます。  3点目の災害時要援護者支援体制の早急な確立についてということであります。  今回の東日本大震災を踏まえまして、支援体制の確立等は早急に取り組むべき課題だと、このように認識をしておりますけれども、災害発生時にこれらが適切に機能するためには、地域の団体が防災力あるいは防災意識を自主的・自発的に高めるということが最も効果的でありますので、地域が取り組みやすいように行政も一体となって必要な支援等を積極的に行っていきたい、このように考えております。  次に、不祥事防止の取り組み姿勢ということについてご質問でございます。  1点目の財政局係長職の収賄事件に対する認識についてでございます。  改めて、大変申しわけない事態が発生したということについて、おわびを申し上げなければなりません。  私が定例記者会見で個別の職員の単体の事件と申し上げましたのは、今回の事件は、あくまでも職員個人のみが実行者であったということ、かつ、みずからの利益のために引き起こした事件であるということでございまして、組織的に行われたものではないという意味で申し上げたわけでございます。  しかし、同時に、今回の事件は職務遂行に関する不祥事でありますので、犯罪を実行しやすい職場環境にあった可能性を排除するということのために、組織的に必要な再発防止策といったものを、対応をとるということが必要であるというふうに判断をしているところでございます。  そのような観点から、不祥事防止の取り組み姿勢についての2点目、不祥事防止委員会での検証について、どんなことをしたのかというお問い合わせでございます。  1月17日の職員逮捕を受けまして、直ちに全庁に業務の再点検といったものを指示いたしました。また、1月20日の臨時の不祥事防止委員会におきましては、契約事務に係る機密情報の管理の徹底と、職務上、関係する業者との対応に係る服務管理の徹底といったものを図ったところでございます。さらに、5月30日の不祥事防止委員会におきましては、職員の不正行為に関する情報の取り扱いや、不祥事情報の共有化、きめ細かな服務規律研修の実施といった三つの不祥事防止策について決定をしたところでございます。一つの局で起きたことは他の局でも学ぶべきことがたくさんあるというような意味合いにおいて、今後、これまでの全庁的な対応というものも含めまして、引き続き、不祥事防止委員会を中心といたしまして、不祥事防止の取り組みを着実に行ってまいりたいと考えているところでございます。  次に、路面電車の延伸についてお答えをいたします。  1点目の路面電車の経営についてでございますが、現在の路面電車は、ループ化されていない路線の形状だとか、あるいは、車両の老朽化の進行など、さまざまな課題を抱えておりますことから、利用促進に向けたサービスの向上というものが非常に図りにくい状況にあるというふうに言っていいと思います。  そこで、今後は、ループ化によります路線の一部延伸や、低床車両の導入により、利用者サービスの向上を図るとともに、総人件費の抑制を含めた経営の効率化だとか、あるいは、利用者負担の見直しによりまして、経営基盤の強化といったものを図るということが必要不可欠な課題である、このように考えております。  なお、ループ化を含めた路線延伸は、これは特許事項でございまして、延伸の特許申請に当たりましては将来の収支の黒字ということが条件となっておりますので、現在、これら経営基盤の強化に向けた事業経営のあり方について幅広く検討を進めているところでございます。  2点目の延伸のビジョンについてでございます。  札幌市では、人や環境に優しい路面電車を、公共交通を軸とした交通体系の確立や、魅力ある都市の持続的発展などの観点から、積極的に活用する考えでございます。今年度から、既設線のループ化や新型低床車両の導入に向けた検討を本格化させてまいりますが、今後とも、地元商業者を含めたさまざまな方々と、このような路面電車を活用したまちづくりの方向性といったものを共有しながら取り組みを推進してまいりたいと考えているところでございます。  私からは、以上でございます。ありがとうございました。 ○議長(三上洋右) 中田副市長。 ◎副市長(中田博幸) 私から、雪対策についてお答えいたします。  まず、1点目の昨シーズンにおけます冬のみちづくりプランの総括につきましては、冬の市民生活ルールの確立、排雪量の抑制、除排雪体制の確保などの取り組みを着実に進めているところでございまして、地域と創る冬みち事業の実施町内会の数も徐々にふえておりますことなど、その効果があらわれつつあると考えているところでございます。  また、1月の北区、東区などにおけます大雪につきましては、議員ご指摘のとおり、局地的に異常とも言えるほど連日の降雪がございました。気温が低く推移したため、融雪も進まず、急激に道幅が狭くなったものでございます。このため、雪が少ない区からの応援態勢などによりまして月末には幹線道路の排雪をほぼ終えましたが、一部の地域で交通渋滞でございますとかバスの運休などが発生し、異常気象への対応が課題として残ったと私どもといたしまして認識しております。  2点目の今冬に向けました対策につきましては、異常気象時でも効果的・効率的な除排雪ができますよう、バスなど公共交通事業者との連携を強化いたしまして、現場の情報をいち早く収集いたしますとともに、作業に係る応援などが臨機に行えるような対策を講じること、さらには、それらの対応を地域の方々にわかりやすく伝えるなど、市民生活への影響を最小限とするように取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○議長(三上洋右) 生島副市長。 ◎副市長(生島典明) 私から、3項目につきましてお答えを申し上げます。  まず、中央体育館整備についてであります。  2点にわたりお尋ねがありましたが、一括してお答えを申し上げます。  中央体育館整備に当たりましては、区民利用のしやすさはもちろんのこと、現在、武道大会や全道・全市規模の大会の使用頻度が高いという利用実態を踏まえまして、スポーツ観戦機能の充実、地域スポーツの交流の場の提供などにより、新たなスポーツ拠点として整備してまいりたいと考えております。したがいまして、今回の基本構想策定におきましては、市民、利用者、関係団体の声などを十分お聞きしながら、新たな施設が担うべき役割について明らかにした上で、施設内容や規模、施設配置などについて取りまとめてまいりたいと考えております。  次に、障がい者支援施策についてお答えをいたします。  リハビリテーションセンターの建設に係るこれまでの検討経過等についてであります。  介護保険法や障害者自立支援法の施行などを契機として、リハビリテーション機能を担うさまざまな施設が市内各地域に整備されてきております。札幌市におきましては、全市規模のハード的な整備よりも、病院、診療所や介護施設、さらには、地域の方々が集まる施設などで行われるリハビリを充実させることが必要であると考えてきたところであります。具体的な取り組みといたしましては、理学療法士など地域リハビリの専門職を身体障害者更生相談所に配置し、機能の充実を図ってきたほか、平成20年9月に保健、医療、福祉の関係者で構成いたします地域リハビリテーション推進協議会を設置し、関係者相互の連携強化とリハビリテーションに係る従事者の技術向上のための研修会などを実施しております。また、通所リハビリテーションなどの事業者数も、平成16年と比較して2倍以上にふえてきているところでございます。  今後につきましては、同協議会における議論も踏まえ、札幌市においてリハビリテーションをどのように提供していくか、引き続き検討してまいりたいと考えております。  次に、公契約条例についてお答えをいたします。  まず、公契約条例と企業経営についてでございますが、公契約条例は、市発注の契約において、一定水準の賃金の支払いを受注者に義務づけることを通じて、当該事業の品質の確保を図り、もって市民が豊かで安心して暮らすことのできる地域社会の実現を目指すものであります。またあわせて、地域経済の健全な発展にもつなげていくべきものでありますので、企業の経営に大きな負担を招くことのないよう検討してまいりたいと考えております。  次に、最低制限価格の引き上げにつきましては、その対象や範囲、実施時期などについて、条例の検討と並行して見直しを進めてまいりたいと考えております。  私からは、以上であります。 ○議長(三上洋右) 北原教育長。 ◎教育長(北原敬文) 教育問題について、私からお答えいたします。  教職大学院及びその修了者の活用についてでございますが、ご指摘のありました教職大学院は、主に現職教員を対象として、学校経営、生徒指導、教科指導等にすぐれた力量を発揮する人材の養成を目指すものであります。  教育委員会といたしましては、学校教育の抱える課題が複雑化・多様化する中で、変化や諸課題に対応し得る高度な専門性と豊かな人間性、社会性を備えた力量ある教員を養成するという教職大学院の役割を十分に認識しているところでございます。この課程を修了した教員には、学ぶ意欲の低下やいじめ、不登校など子どもたちの抱えるさまざまな課題に対して、学んできた指導理論や実践力等を実際の教育の場で大いに発揮し、中核的な中堅教員として学校を支えながら札幌市の教育水準の向上に寄与していくことを期待するものでございます。  以上でございます。  (細川正人議員「議長」と呼び、発言の許可を求む) ○議長(三上洋右) 細川議員。 ◆細川正人議員 1点だけ再質問なのですけれども、先ほどの経済対策のお答えの中で、札幌の場合、いわゆる企業の業種を選定した中でやっていきたい、そして、製造業などについては道央圏と連携をとりながらやっていきたいと。もう一つ、インセンティブについてどうですかというお話をしたときに、必要に応じて検討したい、こういうお話でありました。  今、雪対策の答弁があったときに、この辺からも、いろいろと、認識が甘いぞというような話がありました。実は、雪対策についても、今冬、これからどうするのですかという質問をさせていただきました。それは、多くの市民は、やっぱりもうちょっと除雪のレベルを上げてもらわないと困るよと、そういう思いがあるのではないかと思うのですね。それにはお金がかかります。インセンティブ、これも当然お金がかかってくることだと思います。この裏側にあるのは、札幌市のいわゆる厳しい財政状況を勘案した場合、なかなか積極的に参るわけにはいかないという言葉がそこにあるのかなと、こういう気がするのです。  実は、ことしの1定でありましたけれども、剰余金が出ました。82億円ですか、地方交付税が70億円、残りの12億円はちょっと別でしたけれども、82億円をまちづくり基金に積まれたはずです。いわゆるお金としては、82億円というものは別によっこしたわけですね。今、大震災が起きました。そして、札幌の経済を取り巻く環境は非常に厳しくなっていく、そうした中にあって、この82億円を積んだ理由は何ですかとお聞きいたしましたところ、将来予想される市有施設の建てかえ、更新に備えるためであるなどの説明があったかなというふうに思うのです。申し上げたとおり、今、本当に厳しい状況にある、そのときにこれを使うのか、それとも、将来に備える、そういったことで行くのが正しいのか。私は、積極的な財政運営をするのであれば、こういったものも使うことによってしっかりと札幌の経済を支えていくのだと、そういう考えが必要ではないかと思うのですがいかがか、お伺いをいたしたいのが1点。  それと、もう一つ、不祥事防止策については、これは、私は、市長をどう処分するかとか、そんなことはどうでもいいのでありますけれども、ただ、先ほど申し上げました、亡くなられた加藤 亨議員がここにおられたときに何を言うかなと考えていたのですね。そのときに、トップリーダーとして、しっかりとその責務を果たしながらやること、そして、市の職員を取りまとめていくこと、人心離るるは易し、身を律せよなどということを言ったのかななんていうふうに思いまして、そのことについては指摘だけさせていただきます。  以上です。 ○議長(三上洋右) 上田市長。 ◎市長(上田文雄) ご指摘ありがとうございます。  剰余金の使い方につきましては、これは、将来予想されるというよりも、将来、確実に、建物の更新等については計画的にやっていかなければならないということのために、剰余金が出た場合には、それは必要な限度で適切に積み立てていくというようなことをしないと、まちづくりの計画が、今後の札幌市の財政運営、それから、今、いろいろと国家的な財政危機にございますので、そういうことから言いましても、確実にまちづくりに使うという必要性があるという目的でこれを積み立てさせていただいたということでありますので、その点をご了解いただきたいというふうに思います。  ただ、今、本当に必要なものについてどうなのかと。これも大事な観点であることはもちろんだというふうに私も思います。そして、それのための対策経費といったものも、既に臨時の市議会におきましても議決をいただきました。あるいは、今回も肉づけ予算プラスアルファということで計上させていただきました。震災対策、その効果というのは、これからまだまだ続く、あるいは、もっともっと深刻化していく可能性があるという状況の中で、私どもは、今回、これで最後だなということは全く考えておりませんし、本当に状況に応じて柔軟に、あるいは機動的にこの予算を計上させていただく、対策を立てていくということをしていかなければならない、こんな考え方でいるところでございます。  加藤先生のお話は、本当にありがたくちょうだいしたいというふうに思います。私も大変尊敬をさせていただいております先生でございます。お亡くなりましたことに、本当に心からご冥福をお祈り申し上げますとともに、先生ならこう言ったのではないだろうかというのは、まさに私も肝に銘じてしっかりと市政運営に携わらせていただきたいということを申し上げたいと存じます。ありがとうございました。 ○議長(三上洋右) ここで、およそ30分間休憩します。  ――――――――――――――――――      休 憩 午後2時47分      再 開 午後3時22分  ―――――――――――――――――― ○副議長(大嶋薫) これより、会議を再開します。  代表質問を続行します。  畑瀬幸二議員。  (畑瀬幸二議員登壇・拍手) ◆畑瀬幸二議員 私は、民主党・市民連合議員会を代表し、2011年第2回定例市議会に上程されました諸議案並びに当面する諸課題について質問いたします。  質問に入る前に、まずは、3月11日に発生した東日本大震災で犠牲となられた方々に、私も、機会を得て、先般、現地を訪問し、合掌させていただきましたが、改めて、ご冥福をお祈りするとともに、今なお厳しい状況に置かれている多くの方々に謹んでお見舞いを申し上げます。  また、いち早く、被災地での救出・救援活動に従事され、現在も懸命に復旧・復興作業を展開されている本市職員を初め、自衛隊や警察など関係機関の皆さんに厚く感謝申し上げます。  この間の支援活動を見ますと、NPOやボランティアの皆さんによるきめ細やかな被災地支援や、避難者の受け入れなどの活動も行われており、まさに、助け合い、支え合いの視点を持った新しい公共が広がりを見せ、具体的な実践としてあらわれていることを実感しております。  上田市長も、災害発生当初から、職員の派遣、救援物資の提供に迅速かつ的確な対応をとられ、札幌市内に避難された方に公的機関や市民団体、NPO、企業などが提供するさまざまな支援情報を案内する北海道NPO被災者支援ネットを開設するなど、官民挙げた取り組みを展開してきました。今後も、変化する被災地や避難者の状況やニーズにしっかりとこたえて、支援を継続するとともに、一日も早い復興がなりますことを心から願っているところであります。  さて、多くの市民から信任を得て、3期目の当選を果たされた上田市長は、さきの所信表明の中で、困難な時代の中にあって、市民自治の力こそが未来を切り開いていく力になるとの考えのもと、改めて、市民自治と市民のための市役所づくりを基本理念として示されました。これまで、2期8年間の上田市政を支え、ともに歩んできた我が会派としても、超高齢化時代や東電福島第一原発事故を受けた脱原発社会への取り組みなど、多くの課題に市民力を結集して向き合う市長の基本姿勢を高く評価し、引き続き全力で支える決意であります。  また、市長のマニフェストであるうえだの約束の着実な実現に、多くの市民の皆さんとの対話を重ねながら取り組んでいくことを申し上げ、以下、順次、質問いたします。  初めに、まちづくり戦略ビジョンについてであります。  今後の札幌市を取り巻く社会経済情勢は、大きく変化することが予想されております。これまで、札幌の人口は増加の一途をたどってきましたが、ついに5年後には減少局面に突入することが予想され、このため、少子高齢化も予想を上回るスピードで進み、10年後には全人口の約3割が65歳以上になり、いわゆる生産年齢人口がより減少していくことが見込まれます。また、グローバル経済の急速な進展と、中国を初めとする東アジア地域の目覚ましい経済成長は、札幌市にも少なからずその影響を及ぼしております。経済社会環境は、ここ10年間で大きく変化し、そのスピードは、今後より一層速くなることが予想されます。さらには、東日本大震災は、観光産業を初めとする我が国の経済にも大きな打撃を与えており、あわせて、原子力発電所の事故は我が国のエネルギー政策の方向性をも大きく変えようとしております。  このような大きな社会経済情勢の変化が見込まれる中にあって、今後、札幌市がだれもが安心して暮らせる魅力ある都市であり続けるためには、あらゆる情勢の変化をとらえ、将来のビジョンをしっかりと持ち、それを市民と行政が共有していくことが極めて重要であります。  上田市長は、マニフェストの中でも、新たな札幌の将来ビジョンを市民と一緒につくることを掲げられました。そして、この5月には、現行の基本構想と第4次長期総合計画を抜本的に見直した上で、新たな札幌市のまちづくりの基本的な指針となるまちづくり戦略ビジョンの策定に当たり、基本的な考え方を示されました。その中では、さまざまな市民参加の手法を取り入れていくという方針が明確に示されております。我が会派としても、社会経済情勢の変化を見据えた将来ビジョンを策定する時期にまさに来ていると考えており、上田市長の方針をしっかりと受けとめて、骨太のすばらしい将来ビジョンができ上がるよう、積極的に議論にかかわっていきたいと考えております。今後、有識者の方々や市民の方々、あるいは、議会との議論を経て策定していくことになりますが、上田市長まちづくりへの思いもビジョンにしっかりと反映していただき、これまでの取り組みの集大成としていただきたいと思うのであります。  そこで、質問ですが、新たなまちづくり戦略ビジョンについて、どのようなまちづくりの理念や視点を盛り込んでいきたいと考えておられるのか、現時点での市長の考えを伺います。  次に、マニフェストにおいて引き続き重点施策に掲げられている、札幌の将来を見据えた都心の再整備についてであります。
     長きにわたって変化の乏しかった札幌の都心も、去る3月12日に開通した札幌駅前通地下歩行空間や、先日のオープン記念イベント、ふれあいフェスタが実施された創成川通の再整備など、これからの都心の骨格となる主要な公共施設の完成により、今、大きく変わろうとしております。これまで、我が会派では、都心の再生については、市民生活の質の向上の面、経済の活性化の面など、極めて多角的な意義のある重要課題であるとともに、道都札幌として北海道経済の活性化を牽引するという立場から、現在の厳しい情勢にあるからこそ、民間の投資を誘発し得るようなまちづくりを積極的に先導し、展開すべきであると繰り返し訴えてまいりました。  本市では、昨年度、今後の都心まちづくりにおいては、多様な主体がまちづくりの目標や目指すべき将来像を共有し、その展開の戦略を明確にして取り組みを進めることが重要であるという観点から、今後、10年間の指針となる都心まちづくり戦略を策定、公表しております。また、駅前通と創成川通の2大プロジェクトにより、都心の骨格軸の整備が進んできたこの2年間で、これらを単に整備にとどめるだけではなく、活用していくという観点が重要になるとの考えから、エリアマネジメントによるまちづくりを推進する中で、大通と駅前通の両地区に地域主体のまちづくり会社が立ち上がっており、今後の都心のまちづくりの新たな主体として、その活躍が大いに期待されております。  一方、政府では、長引く経済情勢の低迷、アジア諸都市の台頭による日本の国際競争力の相対的低下への懸念などから、元気な日本の復活のシナリオとして、昨年6月、新成長戦略を閣議決定し、引き続き都市再生の取り組みを推進することとしております。既に、改正都市再生特別措置法がこの4月27日に公布されており、特に、本市の都心部を含む都市再生緊急整備地域においては、民間都市開発プロジェクトを強力に推進し、都市の国際協力を強化するとともに、まちづくりへの民間主体の参画を促し、都市の魅力の向上を図るなどこれまでの取り組みを加速し、さらなる機能強化を図っていくなど、都心の再整備を進める環境は十分整ってきていると思うのであります。  このたびの市長のマニフェストを見ますと、札幌の魅力を高める都市整備を計画的に進め、その魅力を世界に発信しながら活力みなぎる元気なまちをつくっていくとし、札幌の都市機能と魅力を高めるために都心の再整備を進めますとされております。この中では、北海道新幹線の札幌延伸を見据えた札幌駅交流拠点の整備計画の策定、駅前通と大通の交差部に地上・地下一体的な空間創出を目指す大通交流拠点の整備、南1条地区における地上部の再開発と地下歩行空間の整備計画の検討などのほか、引き続き市民交流拠点複合施設の実現を目指す北1西1地区の再開発などの事業が掲げられており、この4年間は、今後50年、100年という長い目で見たとき、都心のまちづくりにとってのターニングポイントになるものと期待されます。  そこで、質問ですが、将来を見据えた都心の再整備を進めるに当たっては、どのような考え方に立って取り組みを進めていくのか、市長のお考えを伺います。  次に、災害に強い安全なまちづくりについて、3点伺います。  1点目は、津波対策についてであります。  災害は、いつ、どこで起こるか、予測が非常に難しいものであり、今回の東日本大震災も決して他人ごとではなく、札幌市も万全の防災体制を整えることが肝要であると考えます。札幌市の地域防災計画は、新たな第3次地震被害想定に基づき、最大震度7の揺れを想定した大幅な見直しを昨年行ったということでありますが、今回の大震災は地震と大津波を引き金に原発事故が発生した複合災害となっております。とりわけ、積雪寒冷地である札幌では、冬場の震災に対する対策も含め、多くの検討が必要であることは言うまでもありませんが、私は、この大震災を踏まえ、津波対策と原発事故対策の観点から札幌市地域防災計画の再検証が必要だと考えております。  東電福島第一原子力発電所の状況は、いまだ事故の収束に至っておらず、依然、予断を許さない状況の中で、放射性物質は日を追うに従って広範囲で検出され、陸地だけではなく、海底からも検出されております。札幌市では、市民の原発に対する不安が広まっていることを受け、今回の補正予算案に、原子力災害対策の調査費を計上しておりますので、ぜひ、しっかりと国や北海道と連携をとりながら適切な市民への情報提供などの必要な対策を講じていただきたいと考えております。  一方、大津波についてでありますが、東日本大震災で亡くなられた方の9割以上が水死であったということが、震災後の検視などから判明しております。札幌市は、海岸に面しておらず、過去においても津波被害の記録もなく、また、2009年度に北海道が行った日本海沿岸における津波シミュレーションにおいても札幌市に影響はないということから、津波による被害は想定されておりません。  しかしながら、今回のような想定を超える大きな津波が発生すると、地表面はもとより、津波が川を遡上し、浸水を引き起こすという想定も必要であり、札幌市においても津波対策を講じる必要があるものと考えます。  そこで、質問ですが、今回の震災を踏まえて、札幌市の津波対策についてどのように取り組んでいくのか、伺います。  2点目は、防災意識の向上についてであります。  このたびの東日本大震災が市民に与えた影響は非常に大きく、義援金や救援物資といった支援の輪が広がっているのはもちろんのこと、災害への関心も非常に高まっており、地震防災マップを受け取りに来る方や、防災に関する問い合わせが例年になく多くなっていると聞いております。  阪神・淡路大震災においては、自衛隊や消防など行政に救助された方は2割程度であり、その他の8割近くの方々は近隣住民に救助されたという教訓が示すとおり、自分たちの命、そして、自分たちのまちは自分たちで守るという自助、共助の取り組みが災害時には非常に重要なことでありますが、本市においては、これまでの市民アンケートの結果を見る限りでは、防災への意識はあるものの、備えは特にしていない方が約4割、地域などでの防災活動に参加したことがないという方が約8割もいるというのが現実であります。  このたびの震災では、東北地方を中心に甚大な被害を受けたわけでありますが、過去の教訓に基づいて、地域や学校で避難訓練などの防災対策に徹底して取り組んでいたため、避難率がほぼ100%だったという地域もあったとの報道もあり、改めて、災害時に自分の身を守るすべを身につけ、そして、隣近所で助け合っていくということが非常に大切であるということを痛感しているところであります。その重要性を認識していただくためには、災害に対する関心の高い今こそが絶好の機会ととらえて、市民へ防災対策のPRを行うことは、災害時の被害軽減に大きな効果があるものと考えております。  そこで、質問ですが、市民の防災意識の向上についてどのように取り組まれていくのか、伺います。  3点目の質問は、市有建築物の耐震化への取り組みについてであります。  東日本大震災では、津波による流失などにより、建築物や工作物の全壊が約11万棟、半壊は約8万棟など多大な被害があり、構造的な被害のほとんどは建築基準法上の旧耐震基準で設計された建築物に見られたと聞いております。特に、震災時における避難、救護、その他応急対策の拠点となる建築物等、防災上重要な公共建築物を初め、鉄道、道路などの輸送経路、上下水道、電気、ガス、電話等のインフラやライフライン施設は、日常生活及び社会経済活動に重要な役割を果たしていることが再認識されたと思うのであります。  市民の安全を確保するためにも、市有建築物の耐震化は喫緊の課題であり、ますます重要な施策の一つとして位置づけていかなければならないと考えております。先般、文部科学省が実施しました2010年4月1日現在の公立小・中学校の耐震化率の調査結果によりますと、全国平均の73.3%に対し、札幌市の耐震化率は64.9%と依然として低い状況であり、今後も計画的に耐震化を図っていく必要があります。  国は、2011年度第1次補正予算で、公立学校の耐震化促進を目的とした防災対策事業として340億円、約1,200棟分を計上しております。また、大地震において倒壊の危険性が高いIs値0.3未満の公立小・中学校等の耐震化事業にかかわる国庫補助率につきましては、2008年度・地震防災対策特別措置法で改正されましたが、そのかさ上げ期間を当初予定の2011年3月から2015年度末へ期間を延長し、学校の耐震化への環境整備を進めております。  札幌市では、2007年度に、札幌市耐震改修促進計画を策定し、2015年度までに民間施設も含めて耐震化率90%を目標として取り組みを進めてきました。その中で、市有建築物につきましては、国の補助も活用しながら、Is値0.3未満の災害拠点施設及び避難場所施設など64の建物、うち学校施設52校を対象とした2006年度策定の市有建築物耐震化緊急5カ年計画に基づき、耐震化を計画的に進めてきたところであり、Is値が0.3以上で目標値に達していない154施設、うち学校施設128校を対象とした次期耐震化計画は、2011年度中に策定される予定となっております。市長のマニフェストにも取り上げられておりますが、計画の実施に当たっては、これまで以上にスピード感を持って着実に進めていくことが求められると考えております。  そこで、質問ですが、2006年に策定された市有建築物耐震化緊急5カ年計画の計画期間は2011年度まででありますけれども、今年度の事業予定を含めたこれまでの耐震化の進捗状況及び成果について伺います。  また、札幌においても、札幌市地域防災計画で想定されている月寒断層を震源とした最大震度7の地震予測などから考えますと、災害対策の拠点にかかわる耐震化事業はより一層重要性を増すことになりますが、第3次札幌新まちづくり計画の策定に向けて、防災対策における今後の耐震化の取り組みについてどのように考えているのか、あわせて伺います。  次に、財政問題について、2点伺います。  1点目は、肉づけ予算の編成についてであります。  今回の大震災は、景気が持ち直しつつあった日本経済全体に直接的かつ甚大な人的・物的被害をもたらしたばかりか、経済循環、経済活動の寸断、停止、計画停電などの事業活動に対する制約、あるいは、原発の安全性や放射線被害による日本ブランドの信頼性の低下など、世界経済の中における我が国の地位に大きなダメージを与えております。こうした状況の中、地方自治体の財政運営については、国が2010年6月に閣議決定した財政運営戦略と中期財政フレームにおいて、地方の一般財源総額を2013年度までは2010年度と同水準を確保するとされているものの、この決定が震災発生前のものであることを考慮すれば、今後の状況は極めて不透明であると言わざるを得ません。  札幌市の今年度当初予算は、子ども関係や生活保護費に代表される扶助費の増加などに的確に対応しつつ、地域経済の活性化に関しても意欲的に取り組み、予算規模が前年度を上回るという積極的な予算でありましたが、震災前から続く景気の状態や少子高齢社会のさらなる進展を考えますと、当初予算で留保した貴重な財源である30億円を真に必要な分野にいかに効果的に活用するかが重要であると考えております。  そこで、質問ですが、今回の肉づけ予算の編成について、市長として特に意を用いた点などを含めて、予算編成の基本的な考え方を伺います。  また、震災を踏まえた対策については、肉づけ予算にどのように反映しているのか、あわせて伺います。  さらには、こうした非常に厳しい財政状況の中での予算編成においては、市債への依存度も相当高まっているのではないかと危惧されるのですが、肉づけ後のプライマリーバランスや市債残高の見通しについて伺います。  2点目は、今後の財政運営の考え方についてであります。  今回、肉づけ予算の公表にあわせて、2014年度までの財政見通しが示されました。2010年2月に公表されたものと比べると、引き続き収支は改善されるものの、扶助費や特別会計への繰出金などの増加により、2012年度でマイナス77億円、2013年度でマイナス110億円、2014年度でマイナス150億円と厳しい状況が続く見通しになっております。この内容を詳しく見てみますと、歳入のうち、一般財源については、国が税、交付税等の水準を維持すると閣議決定したことを踏まえて、2011年度と同水準を見込むとともに、歳出については、人件費、扶助費、公債費、繰出金など、過去の傾向や積み上げにより一定の増額が見込まれておりますが、これらの見通しには震災による影響が加味されていないところであります。  そこで、質問ですが、現時点で震災による影響を見通すことは非常に難しいとは理解しておりますけれども、札幌市の今後の財政見通しへの影響がどの程度になると予想されるのか、伺います。  また、本年中に新しい行財政改革のプランを策定するということでありますが、前回の行財政改革プランと同様、この見通しで示された金額が、今年中に策定するとしている新しい行財政改革のプランの目標として設定されることになるのか、伺います。  次は、道内市町村との連携についてであります。  上田市長は、これまで、北海道全体の活性化のために、札幌市が積極的な役割を果たしていくことが極めて重要であるとの考えのもと、北海道内の市町村との連携を積極的に進めてこられました。近隣市町村との連携については、2007年度より石狩管内8市町村の首長との懇談会を継続的に開催するなど、緊密な関係づくりに尽力されてきました。また、これにとどまらず、道内市町村との連携をより強化していくという観点から、2009年度からは函館市、旭川市、帯広市、釧路市、北見市に札幌市を加えた道内中核6都市での首長会議を開催されており、観光分野での6市の具体的な連携の動きも出てきております。  経済分野における連携に着目してみますと、2010年度には、道内の各都市が北海道経済の活性化に向けた連携協力のあり方などを議論するための場として、北海道内都市経済活性化会議を立ち上げられました。また、具体的な連携プロジェクトとして、北海道を東アジアに対する食・健康産業の輸出拠点にするという北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区構想を、函館市、帯広市、江別市などとの連携により推進されるなど、経済分野で精力的な連携を進められており、我が会派としても高く評価しているところであります。  札幌市には北海道の全人口の約3分の1が集中しておりますが、多くが道内からの流入人口によって支えられており、また、経済についても道内の消費に支えられているのが実情であります。今後、札幌市においても人口減少や少子高齢社会のさらなる推進が見込まれる中にあって、北海道全体の活性化なくして札幌市の活性化はあり得ません。札幌市が北海道全体の活性化のために他都市と連携して何ができるかという視点が、これからますます重要になってまいります。  我が会派としても、今後、札幌市として、北海道全体の活性化に向け、より積極的に道内市町村との連携を進めていく必要があると考えており、上田市長には、これまで8年間で培ってきた道内市町村との太いパイプを生かしながら、引き続き、道内市町村間の広域連携の旗振り役としてリーダーシップを発揮していただきたいと考えております。  そこで、質問ですが、上田市長は、これまでの取り組みを踏まえ、今後、北海道全体の活性化に向け、北海道内の市町村との連携をどのように進めていくお考えなのか、伺います。  次に、経済政策について、3点伺います。  1点目は、札幌スタイル事業の今後の展開についてであります。  内閣の知的財産戦略本部で策定が進められている知的財産推進計画2011においては、震災後の日本の復興を加速するためにも、コンテンツやデザイン、ファッションといった日本の文化産業に注目し、いわゆるクールジャパンを推進していくことが重要であるとして新たに盛り込まれたところでありますが、札幌市では、震災以前から、地域活性化総合特区へ、札幌コンテンツ特区の提案や、国際競争力の強化を先駆的に推進することを目指して北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区の提案も行っているところであります。これらの特区の採択は、北海道経済を活性化し、ひいては、大きな意味で震災後の日本の復興にも資することになるとも言えることから、ぜひ採択に向けた取り組みを強化していただきたいと考えます。  一方、さまざまな面で、震災の影響を受けている札幌の地域経済を活性化していくためには、これまで取り組んできた地域ブランドをより一層推進、強化していくことも有効であると考えております。札幌市では、新しい産業の創出と地元企業の振興につながる事業として、2004年度から札幌スタイル事業を推進しておりますが、札幌の魅力を内外に発信し、他都市との差別化を図る都市戦略として、これまで積極的な取り組みを続けてきており、一定の浸透が図られてきているものと認識しております。  しかしながら、札幌市では、この事業について、昨年の市民評価、事業仕分けを受けて、企業の適切な費用負担を求めていく方向で見直しを検討していると伺っておりますし、また、将来的には、民間事業者が主体的にこの事業を進めていく必要があるとの認識に立っているものと理解しております。  そのような中、2007年に札幌市が実施した札幌市製造業実態調査においては、今後、最も強化したいと考えているものとして、企画力やブランド力、販売力が上位に上げられていることからも、札幌スタイルにかかわる市内中小企業にとって、まだまだ市の積極的な関与、支援が必要だと言えるのではないでしょうか。  そこで、質問ですが、まずは札幌スタイル事業で認証された商品群の売り上げ規模はどのように推移しているのか、伺います。  あわせて、札幌スタイル事業の今後の事業展開について、市長のお考えを伺います。  2点目は、被災企業等への支援も含めた企業誘致に向けた近隣市町村との連携についてであります。  避難企業向け仮オフィス提供事業については、さきの第2回臨時市議会の経済委員会において、我が会派から今日的な状況について質問したところでありますが、計画停電等の実施が見送られていることなどから、首都圏企業等では積極的な移転や拠点の分散化の検討が一たん落ちついてきており、問い合わせはあるものの、具体的な入居にはまだ結びついていないということでありました。  しかしながら、この夏場の電力需要の増大による停電や、電力使用制限への懸念や、数値目標や総量規制など、一層の節電対策強化など、本施策へのニーズが急速に高まる可能性は十分にあると考えられるところであります。実際に、6月上旬の段階においては、札幌市デジタル創造プラザにはアニメ関係の個人事業主の入居が既に決定していることに加え、他の企業からの問い合わせも引き続き入ってきているとのことでありますし、この施設はクリエーターを対象としたインキュベーション施設として全国に先駆けた取り組みを行ってきた象徴的な場所でもあり、デジタル創造プラザ自体が市民情報センター跡へ移転した後も、震災の影響が終息していなければ、現在の施設を被災企業への支援として活用することも視野に入れてもよいのではないかと考えております。  一方、我が会派から指摘したとおり、今後は、本格的にリスク分散を図ることを目的として、被災地の製造業などが移転の動きを顕在化してくる可能性もあることから、それらの受け皿となれるような支援策をあわせて早急に検討する必要があると思っております。  これらの点を視野に入れて、今回、企業移転支援事業が補正予算に盛り込まれておりますが、これによりますと、札幌市外に立地した企業に対しても人件費の補助を行うというものであり、企業への補助制度としては、これまで以上に近隣市町村との連携を図った、また、一歩踏み込んだ内容となっていると評価するところであります。  そこで、質問ですが、企業誘致において近隣市町村との連携のあり方をどのように考えておられるのか、伺います。  3点目は、経済対策についてであります。  6月7日に公表された2010年度の来札観光客数を見ますと、特に東日本大震災の影響を受けた3月期では、月別入り込み数が対前年同月比11.8%減、外国人宿泊者数に至っては45.5%の減と大幅に減少しております。  東日本大震災後の風評被害への対策として、国や北海道は、海外メディアや要人の招聘、映像プロモーションなどさまざまな事業を打ち出してきております。札幌市においても、札幌市の役割を踏まえた多くの取り組みが行われているものと認識しております。例えば、震災等により直接的、または間接的な影響を受けた企業が利用できる東日本大震災復興支援資金を既に創設し、市内中小企業の経営を金融面で下支えできる体制を整えているとのことでありますし、札幌、北海道の安全な現状を伝えるため、市長みずからが、中国の姉妹都市を初め、幾つかの都市を訪問するなど、トップセールスを積極的に展開していると聞いております。このような取り組みが、例年であれば観光の繁忙期に差しかかるであろう札幌を従来の姿に戻すことにつながればと、大いに期待するところであります。  そこで、質問ですが、震災後の札幌経済の回復に向けて、市長はどのように取り組んでいくおつもりか、伺います。  次に、福祉施策について、3点伺います。  1点目は、静療院児童部門の一般行政病院化についてであります。  2009年3月に策定された市立病院新パワーアッププランに基づき、豊平区平岸に設置されている精神科病院静療院の機能のうち、2012年に成人部門を本院に統合し、民間では取り組めない政策的医療分野である児童部門については、市長部局に移管し、一般行政病院として位置づけることとして作業が進められてきております。  これまで、我が会派は、この静療院児童部門の一般行政病院化については、開設以来、道内の児童精神医療の中心的な役割を担ってきたことを踏まえ、保健、福祉、教育などの子どもの成長・発達にかかわる多くの分野で生かしていくべきとの考えから、極めて強い関心を持ってまいりました。昨年の2定及び4定の代表質問においても、静療院児童部門の一般行政病院化を契機として、発達障がい者支援や障がい児・者の一元的支援を進めるべきであり、近隣に設置され、老朽化が進む障がい児・者施設の移転先としての可能性を含め、組織のあり方や施設の活用方針などについて早急に検討すべきと要望してまいりました。  医療の面からは、児童精神科を中心とする静療院児童心療センターと、小児科、整形外科、耳鼻咽喉科などを中心にリハビリテーションを行う発達医療センターの一体化、また、福祉の面からは、障がい児福祉施設を近接させることにより、福祉と医療がさらに連携するサービスの提供が可能になれば、これは極めて有益であると考えます。今後、これを土台にきめ細やかな診療、療育を充実させ、また、新たな課題等に即応できる施設、組織づくりを行うべきと考えます。  このたび、2011年度補正予算案として施設の設計費等が計上されたことは、本市としての一定の方針が示されたものと理解するものであります。  そこで、質問ですが、静療院児童部門の一般行政病院化に伴うその移管先については保健福祉局の所管とし、発達障がい児・者に対する支援を一元化する組織体制の再構築に向けて検討を行うとのことでありましたが、改めて、最終的な結論がどのようになったのか、また、今後、組織の再構築をどのような考えで進めていかれるのか、伺います。  また、今回、静療院成人部門跡施設改修等事業として施設整備に着手することになりますが、新しい施設が具体的にどのような施設となり、今後、本市の障がい児・者に対する支援体制をどのように充実させていかれるのか、伺います。  2点目は、障害者自立支援法の一部改正についてであります。  昨年12月、障がい者制度改革推進本部等における検討を踏まえて障害保健福祉施策を見直すまでの間において障害者等の地域生活を支援するための関係法律の整備に関する法律、いわゆるつなぎ法が制定、公布され、障害者自立支援法等の関係法律の一部改正が行われております。  現在、障がい保健福祉施策に関しては、国において新たな総合的な福祉法の制定に向けて議論が進められておりますが、このつなぎ法は、新法制定までの間も障がいのある方々の地域生活支援を一層進めていくために改正されたものであると受けとめております。また、つなぎ法に関しては、既に発達障がい者が自立支援法の対象であることを明確化する規定等が施行され、今後、10月にグループホーム・ケアホーム利用者に対する家賃補助や、視覚障がい児・者のガイドヘルプサービスの創設が予定されております。さらに、来年4月には、利用者負担の見直しを初め、障がいのある方のためのケアプラン拡充といった相談支援の充実、障がい児にかかわる通所・入所サービスの再編など、段階的に新たなメニューが導入される予定と聞いております。いずれも、自立支援法の制定以来、課題として掲げられてきた事項であり、障がいのある方々の地域生活を支え、自立生活の促進に寄与することが期待されております。札幌市としても、法改正の趣旨を踏まえ、しっかり対応していく必要があると考えております。  そこで、質問ですが、つなぎ法により、障がい福祉サービスの利用者負担がこれまでの応益負担から応能負担へと抜本的に考え方が変更されることとなりますが、札幌市としてどのように受けとめて取り組みを進めていくのか、見解を伺います。  また、来年4月までにさまざまなメニューの導入が予定されており、これらを個別の改正にとどめることなく、既存サービスとの有機的な連動を考慮しつつ計画的かつ効果的に実行していく必要がありますが、札幌市としてどのように取り組んでいくのか、あわせて伺います。  3点目は、特別養護老人ホームの整備についてであります。  ことし4月1日現在の札幌市の65歳以上の人口は、住民基本台帳人口で約38万8,800人、高齢化率は20.5%に達しております。一般に、高齢化率が21%を超えますと、高齢社会をさらに超えた社会ということで超高齢社会と呼ばれるようですが、札幌市もこの超高齢社会がすぐ目の前に迫っていると言えます。  しかし、昨年12月末現在における特別養護老人ホームの入所申込者は総数で6,000人を超え、そのうち、在宅等で入所を待っている緊急度の高い方が900人にも及ぶ状況にあるのが現状であります。介護者自身が高齢である老老介護や、介護者も認知症を患っているという最近の厳しい傾向を表現した認認介護、夫や息子の男性介護者による介護など、在宅介護を取り巻く問題は深刻さを増しており、在宅で厳しい状況に置かれている要介護者や、その家族を支えていくためには、今後も特別養護老人ホームなどの整備を一層推進していくことが喫緊の課題であります。  こうした状況を踏まえて、我が会派では、2011年度予算編成に当たり、だれもが安心して地域で暮らすことのできる支援策を推し進める観点から、特別養護老人ホームなどの高齢者施設の拡充を市長へ強く要望したところであります。こうした中、2011年度当初予算では、定員80名の広域型特別養護老人ホーム2カ所と、定員29名の地域密着型特別養護老人ホーム2カ所の計4カ所、218名分の整備費補助が予算化され、さらに、このたびの第2回定例市議会に提案された補正予算案において、定員80名の広域型特別養護老人ホーム1カ所分が追加で盛り込まれたことにつきましては、評価をしているところであります。  また、今年度は、2012年度から2014年度までの3年間を期間とする新しい高齢者保健福祉計画、介護保険事業計画の策定を行う年であり、今後、保健、医療、福祉の関係団体、学識経験者及び公募による市民代表で構成される介護保険事業計画推進委員会の意見を伺いながら策定作業が進められていくことになります。特別養護老人ホームを含む介護保険施設の整備計画についても、この計画の中で検討が進められますが、施設がふえることによって介護保険料が上がるといった課題も考えられ、高齢者など被保険者の理解も踏まえて進めることが必要になってまいります。  上田市長は、さきの選挙において、安心して暮らせるぬくもりの街の実現に向けて、緊急度の高い高齢者が早期に入所できるよう特別養護老人ホームの整備を進め、定員を4年間で1,000人分ふやす考えを示されておりますが、特別養護老人ホームの整備についてどのように取り組んでいくのか、市長のお考えを伺います。  次に、子ども施策について、2点伺います。  1点目は、常設の子育てサロンの整備についてであります。  札幌においても、核家族化や少子化が急速に進み、子育て家庭の孤立化が顕著となり、家庭において子育てをしている専業主婦などの育児不安が指摘されており、すべての家庭が安心して子育てできる環境づくりと、特に、地域社会全体で子育てを支援する仕組みの充実が求められております。  また、子育て世代の課題が山積する中で、新たに、孤母社会という現象も見受けられます。孤立の孤に母と書いた孤母とは、地域社会や血縁などから切り離されてしまったまま、子育ての問題をひとり抱えて苦悩する母親であり、コミュニティ意識の希薄化により、母子の関係はまるでカプセルに閉じこもったようになり、母親は、だれにも助けを求められない不安やストレスをため込んだまま、過保護や、その反動として虐待などの問題を引き起こすと考えられております。  市長が重点政策として上げられた、日本一子育てしやすいまちを目指すには、きめ細やかな子育て環境の整備が必要であると考えております。その一環として、2004年度から地域の子育てサロンの小学校区すべてへの設置を目標に整備を進め、2010年度末現在では、小学校区207カ所中191カ所、ほぼ市内全域で子育てサロンが展開されるようになりました。しかし、市民からは、もっと子育てサロンの開催回数をふやし、いつでも利用できるようなサロン運営の充実についての要望が多くなってきているとも聞いております。  乳幼児と保護者などが地域の中で気軽に集まり、子どもたちの遊びを通じ、自由に交流でき、仲間づくりや育児不安解消という目的に対して、母親たちの大きな支援力となっている子育てサロンの開催日がふえて常設化されることは、子育て中の親子にとって非常に心強いものになると思っております。子育てサロンの常設化については、市長公約の中でうたわれており、今後、整備が進むものと大いに期待しているところであります。また、これまで、行政が種をまき、地域主体の子育てサロンという形で芽が出て地域に根づいてきたように、今後、子育て支援に役立ちたいと考える市民、団体などと連携し、協働で事業を行うことも今後の方向性の一つであると考えております。  そこで、質問ですが、地域における子育て支援を一層推進するためには、常設の子育てサロンの整備が必要と考えますが、札幌市としてはどのような考えで整備を進めようとしておられるのか、伺います。  2点目は、児童虐待の防止対策について伺います。  児童虐待が社会問題になり、児童虐待防止法が施行されてから10年を経過し、全国的にも児童虐待に対する認識が高まってきているものと私は考えております。  しかし、残念なことに、ことしになっても相変わらず各地で児童虐待事件が報道されており、つい5月にも大阪市住之江区で父親が乳児虐待の疑いで逮捕されるなど、どうしてこのような事態が起きるのか、虐待を報じるニュースを見聞きするたびに胸を締めつけられる気持ちになります。  札幌市の状況を見ますと、児童相談所で扱った児童虐待件数は、昨年、2010年度は478件と、前年に比べて約140件減少しましたが、2005年度から2009年度では約2.5倍と急増したことは記憶に新しいところであります。一方、児童虐待通告件数は、2009年度の736件から2010年度で814件と、約80件増加しております。これは、マスコミ等に大きく報道された大阪市西区での児童虐待により幼児2人を遺棄、死亡させる事件が余りにも痛ましかったために、いわゆる泣き声通報などの近隣からの通報が、2009年度の271件から2010年度は417件と大幅に増加しており、地域の関心が高まったことによるものと考えられます。その反面、児童虐待件数が減少したのは、これまでの児童相談所の体制強化や関係機関との連携強化に加えて、市民の皆さんの意識の向上による早期の通報などがその要因であったのではないかと、私は心強く思うものであります。  しかし、児童虐待件数は依然として高い水準にあり、先日、策定された札幌市児童相談体制強化プランにおいても、より児童虐待対策にも力を注ぐ内容となっており、プランの具体的な取り組みが期待されております。特に、子どもや、その家庭を取り巻く状況が複雑かつ多様化している現状においては、子どもにかかわる問題が日々の地域社会での生活そのものに根差しているものと思われることから、虐待を初めとした要保護児童問題の解決のためには、地域の身近な相談窓口である区役所においても相談体制機能を強化し、虐待の兆候を早期に発見することが極めて重要であると考えております。  そこで、質問ですが、児童虐待を初めとした要保護児童相談への対応について、児童相談所に加えて、より身近な地域で市民と接している区役所の相談体制機能を強化していく必要があると考えておりますが、具体的にどのような取り組みをしていくお考えなのか、伺います。  最後に、道路空間における走行環境改善について質問いたします。  道路空間と一言で申しましても、車の空間と歩行者の空間などがあり、昔は車優先の道路空間が多く見受けられました。近年は、市民ニーズの多様化や高齢化の進展に伴い、バリアフリー化を含めた道路空間のあり方について注目されております。  先日、オープニングセレモニーが開催された創成川公園は、創成川通の連続アンダーパス化により、地上部の片側4車線の道路を片側2車線にすることにより、親水空間として創出されました。まさに、車優先の道路空間の整備という視点から、既存の道路空間を有効に活用し、その時代の市民ニーズに合った道路空間の環境を改善する取り組みのよい事例だと考えます。ほかにも、テレビ塔北側の車道部に一部駐輪場を設置し、自転車対策を行ったことも、市民ニーズに合わせた道路空間の有効活用だと考えられます。  一方、これらを含む公共事業に関する予算的な背景としては、依然として厳しい状況が続いております。ご承知のように、近年の国家予算は、公共事業に割かれる予算を大幅に削減してきており、1997年度の9兆7,000億円をピークに、昨年度は5兆8,000億円とピーク時の6割まで減少してきました。札幌市における道路整備にかかわる予算につきましても、同様の傾向となってきております。  そうした中で、東日本大震災の復興に当たり、被災地へ優先的に予算を充てる施策が国会等で議論されており、今後、国全体の予算が一層厳しいものになると考えられ、本市においても、限られた環境の中で効果的かつ効率的に道路環境改善を進めるための創意工夫がより一層求められるものと考えます。  我が会派では、昨年の4定の代表質問において、このように限られた財源で何ができるかという視点を踏まえ、今後の道路整備の考え方について質問をいたしました。その答弁として、新たな市民ニーズへの対応やさまざまな交通課題の解決に向け、既存の道路空間を最大限に活用し、例えば、幅の広い路肩を歩道や自転車走行レーンに再配分するなどの取り組みについても積極的に進めるとの方向性が示されております。  こうした道路空間の再配分の考え方は、少ない予算の中で効果的な道路環境改善を行う上では、非常に有効なアイデアであると考えております。例えば、人口減少により将来交通量が頭打ちになることが予測されている中で、既に4車線整備されている路線のうち、現況交通量が比較的少ない箇所においては2車線化し、残りの空間は大雪のときの雪たい積スペースとしたり、自転車走行帯や荷さばきスペースとして活用することなども既存空間の有効活用であると考えております。また、高齢運転者による人身事故がふえ続けている状況にあることから、道路空間の再配分の考え方に基づき、簡易な手法で右折レーン設置が一層進めば、スムーズで安全な運転が可能となり、高齢運転者にも対応する道路環境改善施策として有効ではないでしょうか。  このような中、2010年度には、バス事業者から検討要望のあった、郊外の比較的幅の広い2車線道路において、ラインの引き直しだけで右折レーンの設置を試みた事例があると聞いております。  そこで、質問ですが、昨年度、右折レーンを設置した際にはアンケートも実施したと聞いておりますけれども、その結果についてどのように評価しているのか、伺います。
     また、環境改善や有効利用につながるとはいえ、現状と異なる道路空間の利用となることから、沿線住民の理解や交通管理者との協議など関係者との調整が必要であり、課題も多いと思われますが、こうした点を含めて、今後、具体的にどのように進めていくお考えなのか、伺います。  以上で、私の質問のすべてを終了させていただきます。ご清聴まことにありがとうございました。(拍手) ○副議長(大嶋薫) 答弁を求めます。  上田市長。 ◎市長(上田文雄) 9項目ご質問がございましたので、前半の5項目につきまして、私から答弁をさせていただきます。その余は、担当副市長から答弁をさせていただきますので、お聞き取りください。  まず、まちづくり戦略ビジョンについてお尋ねでございます。  先日の所信表明の中でも申し上げましたけれども、私は、まちづくりの目標を、引き続き、市民の力みなぎる、文化と誇りあふれる街といたしております。  この目標の実現に向けまして、札幌が持つ多様な魅力を磨き、かつ高め、そして、世界に発信するということで、新しい産業や文化、これを生み出し、札幌の活力を高めていきたい、このように考えております。さらには、人口減少や少子高齢化といった大きな社会経済情勢の変化のただ中にあっても、人々が安心して暮らせるような優しさとぬくもりあふれるまちづくりを進めていきたいと考えているところであります。  また、私は、市民が誇りと生きがいを感じて暮らすことのできるまちこそが魅力あるまちになる、このように信じております。そのために、市民自治というものが息づくまちづくりというものを、引き続き、まちづくりの根本に据えていきたいと考えているところであります。  ご質問の新たなまちづくりの戦略ビジョンにつきましては、このような、私が市長就任以来、大事にしてまいりましたまちづくりの目標や理念といったものを反映しながら、審議会や議会での議論なども十分に踏まえまして、市民の皆さんと共有できるビジョンにしていきたいと考えているところでございます。  次に、将来を見据えた都心の再整備についてということでございます。  これからの札幌のまちづくりにおきましては、冷涼な気候、四季の明瞭性など札幌が持つ特性や、文化芸術、創造活動などの取り組みを上手に生かし、行ってみたいまち、住みたいまちとして、その都市の魅力をさらに高めていくことが重要になると思います。そのことは、札幌が道都として観光、食、環境・エネルギーなどの北海道の成長分野を牽引していく役割を果たすとともに、先端産業にかかわる企業や研究機関の立地を誘引し、知的生産活動を担う人材を引きつけ、そして集客交流を促進させるなど、札幌の国際競争力の強化につながるものと考えております。  これらを強力に先導することが都心の役割でありますことから、私は、文化芸術、そして、商業・業務などの多様な都市機能の集積、地下空間、路面電車などの回遊性を向上させるネットワークの形成、大通地区や駅前通地区で活動中でございますまちづくり会社のように、地域みずからがまちの価値向上というものを目指すエリアマネジメントの充実強化、これに力点を置いて都心の再整備に取り組んでいく予定でございます。  次に、災害に強い安全なまちづくりについてお答えをいたします。  1点目の津波対策の取り組みについてでありますが、今回の大震災では、津波が従来の想定をはるかに超えて海岸から数キロメートル内陸まで達しまして、川への遡上も15キロメートル以上に及び、各地に甚大な被害を与えたところでございます。札幌市におきましても、海岸からの距離や河川の現況等を考慮いたしますと、このような大津波が起きた場合には、その影響が市域に及ぶということも十分あり得るというふうに認識をいたしております。  北海道がこれまでの津波浸水予測の見直しを進めておりますことから、札幌市といたしましても、この動きを見据えながら、今年度から、避難方法や、あるいは避難場所の考え方などについて検討を開始いたしまして、北海道の防災計画と整合をとりながら、地域防災計画の見直しにつなげていきたいと考えているところであります。  次に、2点目の市民の防災意識の向上についてでございます。  昨年度、見直しを行いました地域防災計画においても、自助、共助の取り組みを計画の柱の一つとしているとおり、災害時においては、市民一人一人の取り組みが非常に大切なものであると考えております。これまでも、広報さっぽろなどで周知をしているほか、地域における防災リーダーの育成や防災訓練、防災資機材の助成などを通じまして、十分にこの普及啓発を行っているところでございます。  また、市民の皆様の防災意識をさらに高めていただくために、市民や地域における防災対策のポイントを解説いたしました防災DVDを作成いたしまして、ことしの3月に全町内会に配付をしたところでありますが、今後は、このDVDを積極的に活用して普及啓発を図るとともに、災害時における企業の役割などについても検討を進めまして、市民、企業を含めました札幌市全体の意識向上に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。  3点目の市有建築物の耐震化への取り組みについてでございます。  まず、これまでの耐震化の進捗状況及び成果についてでありますが、市有建築物耐震化緊急5カ年計画の対象であります64施設のうち、52施設については平成22年度末までに耐震化を終えておりまして、残り12施設についても、建てかえや用途廃止を予定しておりますものを除きまして、おおむね順調にこの事業が進捗しているところであります。また、引き続き、耐震化が必要となります施設のうち、学校47校については、前倒しをいたしまして設計や工事に着手をいたしております。また、今回の補正予算でも、学校5校と区役所3施設の設計を追加したところでございます。  次に、今後の耐震化の取り組みについてでございますが、災害時に地域の防災拠点となります区役所や、収容避難場所となります学校などの施設について、新しいまちづくり計画に合わせて耐震化計画を策定いたしまして、重点的に、かつ、今まで以上にスピード感を持って取り組んでいきたいと考えているところでございます。  次に、財政問題でございます。  1点目の肉づけ予算の編成についてでありますけれども、まずは、今回の予算編成の考え方につきまして、マニフェストとして掲げました事柄を中心に、早急に着手すべきものを見きわめながら重点化を図ることを基本といたしまして、特に、札幌市を取り巻く状況を踏まえまして、早急に取り組むべき子育て支援、それから、経済・雇用対策の充実強化、これに加えまして、喫緊の課題でございます震災関連の対策に意を用いたところでございます。中でも、震災関連につきましては、市有施設の耐震化などの防災体制の強化や、風評被害などを踏まえた地域経済対策、あるいは、深刻な原発事故を踏まえた省エネと再生可能エネルギーへの促進といった視点から、現在とり得る対策を可能な限り盛り込んだところでございます。  次に、プライマリーバランスと市債残高の見通しについてでありますが、近年、本来は国が責任を負わなければならない税の再配分の方法であります地方交付税、これは、本当に地方の固有の財源でありますけれども、その代替として、国の財政事情から臨時財政対策債、いわゆる臨財債と言われておりますが、この債券の発行額が大きく伸びておりまして、今回の肉づけ補正分を加えた一般会計の市債発行額は777億円というふうになりました。そうではありますけれども、プライマリーバランスの黒字というのはかろうじて維持できたというところでございます。  また、22年度末における一般会計の市債残高は9,636億円となりまして、21年度末の残高9,700億円を下回る見込みでありますが、23年度におきましても、予算の適切な執行などによりまして残高の抑制に努めてまいりたい、このように考えているところでございます。  2点目の今後の財政運営の考え方についてでありますけれども、まず、震災によります財政見通しへの影響ということでありますが、今後、税収の落ち込みということが相当程度懸念されておりますが、注意深く状況を見きわめてまいりたい、このように考えております。  また、行財政改革プランの目標設定についてでありますが、震災の影響を含めまして、今後の税や交付税等の歳入動向を正確に見通すことがとても難しい状況でございます。そういう状況でありますので、まずは、今回の見通しでお示しをいたしました所要の一般財源の増加に対応するための財源の確保というものが基本になる、このように考えております。その上で、今後見込まれます多くの公共施設の更新を含めて、新しい札幌のまちづくりを積極的に進めていくために必要な財源についても、プランに掲げるさまざまな取り組みを通じて生み出してまいりたい、このように考えているところでございます。  次に、道内市町村との連携についてお尋ねでございますので、お答えいたします。  私は、札幌の都市機能を道内市町村に活用していただき、北海道全体の活性化につなげたいとの思いで、道内市町村との連携を積極的に進めてまいりました。これまでの取り組みによりまして、道内市町村とのネットワークは確実に強化できてきているのではないかと感じているところであります。現在、東日本大震災の発生によりまして、札幌や北海道の経済が大きな打撃を受けておりますけれども、このような状況であるからこそ、今まで以上に道内市町村が一丸となって北海道全体の活性化に取り組んでいくことが重要だと考えているところであります。  今後は、これまで築き上げてまいりました道内各市町村とのネットワークを活用しながら、北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区構想を初めとする経済、観光分野での具体的な連携の取り組みを積極的に進めてまいりたいと考えているところでございます。  私からは、以上でございます。 ○副議長(大嶋薫) 中田副市長。 ◎副市長(中田博幸) 私から、道路空間における走行環境改善についてお答えいたします。  まず、1点目の昨年度実施した右折レーンの評価についてであります。  昨年は、新川地区工業団地周辺の交差点2カ所でライン表示によります右折レーンの設置を行うとともに、バス事業者を初め、周辺住民や運送業の方々へアンケート調査を行ったところでございます。その結果、交差点が通りやすくなって満足しているという回答が8割を占める内容でありました。この分析結果からも、今回のライン表示による右折レーンの設置は、バスやトラックなどの大型車を含め、交差点通過時にスムーズな車の走行を可能とし、交通事故の軽減やドライバーのストレス軽減等のさまざまな効果があり、有効な取り組みであったものと判断しているところでございます。  2点目の今後の具体的な進め方についてでありますが、今年度も同様の手法による右折レーンの設置を拡大いたしますとともに、車線が不明瞭な旧石狩街道等の2路線におきましては、中央帯や停車帯をライン表示し、車線を明確化するなどの取り組みを進めたいと考えております。今後も、地元や関係機関との協議、さらには、アンケート調査等による検証も行いながら、走行環境改善に向けた道路空間の有効活用方策を積極的に進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○副議長(大嶋薫) 生島副市長。 ◎副市長(生島典明) 私から、3項目につきましてお答えを申し上げます。  まず、経済政策についてであります。  1点目の札幌スタイル事業の今後の展開についてでありますが、認証製品の売り上げについては、統計をとり始めた平成20年度は約1億5,000万円、21年度が約2億4,000万円と伸び、昨年度は、約2億2,000万円と若干前年を下回ったものの、6割の企業は売り上げを伸ばしております。今後の事業展開につきましては、製品認証やブランド管理といった信用力を付与する役割以外は民間事業者が担うべきものと考え、その段階的な移行に今年度から取り組んでいるところでございます。  次に、2点目の企業誘致に向けた近隣市町村との連携についてでございますが、高度な都市機能や豊富な人材を擁する札幌市と、大規模な工場の建設も可能な近隣市町村が連携することで、札幌圏の魅力が高まり、立地の促進につながるものと考えております。今後とも、札幌圏が一体となった誘致に向けてさらなる連携強化に努め、その中で中心的な役割を果たしてまいりたいと考えております。  次に、3点目の東日本大震災後の札幌経済の回復に向けた取り組みについてでありますが、震災の影響を受けた企業への対策など、できるところから速やかに実施してきており、本議会におきましても新たな対策を提案しているところであります。今後につきましても、経済情勢を見きわめながら、市長のトップセールスも含め、必要となる対策については迅速に実施してまいりたいと考えております。  次に、福祉施策についてお答えをいたします。  1点目の静療院児童部門の一般行政病院化についてであります。  まず、組織体制の再構築についてでありますが、これまでの検討経過も踏まえ、平成24年4月から、静療院児童部門は保健福祉局に移管し、同局所管の病院といたします。また、多様化する市民ニーズに的確に対応するため、子ども未来局が所管している児童療育部門についても保健福祉局へ段階的に統合し、ライフステージに応じた児・者一貫した施策展開を推進する組織体制に再編することといたします。  次に、新施設の概要等でありますが、既存の静療院児童心療センターと児童福祉総合センター内の発達医療センターを統合し、心と体の発達におくれがある子どもへの総合的な医療施設といたします。また、近隣の障がい児・者施設、知的障害者更生相談所を移転し、障がい児・者の医療、福祉の複合施設といたします。この施設を拠点として、例えば、民間施設等における障がい児への療育機能の強化を図るための研修を行うなど、札幌市全体の障がい児・者の支援体制のさらなる向上を目指してまいりたいと考えております。  次に、2点目の障害者自立支援法の一部改正についてお答えを申し上げます。  まず、利用者負担の見直しについてでありますが、障がい福祉サービスにおける利用者負担に関しましては、昨年4月、市民税非課税世帯について無料となり、実質的には応能負担化が進められ、さらに、昨年12月の法改正により、その考え方が明確化されたところでございます。このことは、障がいのある方のサービス利用が一層促進される重要な見直しであると認識しております。  本年7月には、利用者負担の見直しを含めて改正事項の細目が国から示されるとお聞きしておりますので、障がいのある方が必要なサービスを確実に利用できるように施行準備を進めてまいります。  続いて、さまざまなメニューの実行に向けた取り組みについてであります。  札幌市では、障がいのある方が地域で安心して暮らせる社会の実現を目指して策定している札幌市障害者保健福祉計画及び札幌市障がい福祉計画を今年度中に改定することから、これらの計画に盛り込みながら、障がいのある方一人一人にふさわしいサービス提供を確実に進めてまいりたいと考えております。  3点目の特別養護老人ホームの整備についてであります。  高齢化の進展に伴いまして、入所の緊急度の高い高齢者は今後さらにふえると見込まれておりますことから、介護保険料への影響などに配慮しながらも、こうした方々がなるべく早く入所できるよう、次期高齢者保健福祉計画、介護保険事業計画の中に特別養護老人ホームの整備をより積極的に盛り込んでまいります。現行計画では443床分の整備を進めておりますが、次期計画におきましては、このたびの補正予算案の1施設80床分を含め、現行計画の2倍程度まで整備の規模を拡大してまいりたいと考えております。  次に、子ども施策についてお答えをいたします。  まず、1点目の地域における子育て支援についてであります。  常設の子育てサロンの整備に当たりましては、現に地域で子育て支援に取り組んでおられる方々の協力が重要であると考えております。その手法として、地域で活動する市民、町内会やNPOなどとの協働により、地域の特性も踏まえながら、今後4年間で、すべての中学校区において、地域の核となり得る週3回以上開催の常設サロンの整備を進め、家庭で保育をされている方々も不安なく子育てができるよう、地域に密着したきめ細やかな支援を進めてまいりたいと考えております。  次に、2点目の児童虐待の防止対策についてでありますが、札幌市児童相談体制強化プランに基づきまして、地域住民にとって身近な相談窓口として、区役所に係長職と家庭児童相談員による家庭児童相談室を4月から設置したところでございます。児童虐待は、経済的事情や疾病など多様な問題が複雑に絡み合っている事例が多いことから、保健や医療、福祉との連携を図って、虐待の未然防止、早期発見への取り組みを一層強化するとともに、専門機関の研修などを通して職員の資質向上を図りながら相談体制の機能を十分に果たしてまいりたいと考えております。  以上であります。 ○副議長(大嶋薫) お諮りします。  本日の会議はこれで終了し、明日6月16日午後1時に再開したいと思いますが、ご異議ございませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○副議長(大嶋薫) 異議なしと認めます。  したがって、そのように決定しました。  ―――――――――――――――――― ○副議長(大嶋薫) 本日は、これで散会いたします。  ――――――――――――――――――      散 会 午後4時44分 上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。  議  長        三   上   洋   右  副議長         大   嶋       薫  署名議員        こ ん ど う  和  雄  署名議員        村   上   ゆ う こ...